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「ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言」 [Amazon Prime Video]




ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言 (字幕版)

ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言 (字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/05/05
  • メディア: Prime Video


ヒトラー率いるナチス支配下のドイツ"第三帝国"が犯した、人類史上最悪の戦争犯罪"ユダヤ人大量虐殺【ホロコースト】"を実際に目撃した人々。武装親衛隊のエリート士官から、強制収容所の警備兵、ドイツ国防軍兵士、軍事施設職員、近隣に住む民間人まで、終戦から77年を迎える今、「現代史の証言者世代」と呼ばれる高齢になったドイツ人やオーストリア人など加害者側の証言と当時の貴重なアーカイブ映像を記録した貴重なドキュメンタリー

「最後の証言」 
いろいろとダークなドキュメンタリーやら、
ドキュメンタリータッチの映画を観ていたら、
これがオススメにあがってきた。
そういえば確か2年くらい前に、
「たまむすび」で町山さんが紹介していたなぁと。

ドイツは第三帝国、ナチスの所業を教えて、
その陰惨で情け容赦ないホロコーストを繰り返さないように、
教育を徹底していると聞いていた。
それに引き換え日本は情けないなぁと思っていた。
しかしどこの国でも、
存外様子は変わらないもののようである。
SSに所属してユダヤ人を殺していた当人たちは、
「ただ命令されていたからやっただけ」
「何をやっているかなど考えてもいない」
「囚人のユダヤ人の歯医者さんに治療してもらったわ。 
 ええ、彼は死んだわ。」
深く後悔の言葉を口にする人も言えば、
ただ昔の思い出のように、
ただ昔の出来事の様に語る人もいる。
そうかと思えば、
「知らなかったわ。 
 何が行われているかなんてSSが引き上げるまで、 
 アメリカ兵がやってくるまで知らなかった。」
そう証言する人までいた。
しかし彼女は周囲の人に言われる。
「知っていたんでしょ? 
 知らないなんてことはないわ。」
そしてホロコーストの悲惨さを若者に語ると、
若者は「そんなことを言わないでください。」
「あなた方は立派な人たちです。」
「そんな風に言うなんて反ドイツですよ。」

なんだか何処かで聴いたような話だ。
ちょっとでも戦時中の日本軍の行為を批判すると、
「反日だ!在日だろう!」と言われ、
それが事実かどうかではなく、
感情で「なかったもの」として日本という国を肯定する。
まぁ確かに目のまで自国を否定されたら、
そういう風に言いたくなるものなのかもしれない。

ただ面白いことに、
最初はしおらしく反省の言葉を口にしていた人が、
途中から正当化するかのように自己弁論を始める。
けっきょくみんな自分が可愛いし、
自分がやったことが恐ろしいから正当化したい。
じぶんのせいじゃない。
みんなやっていたことだ。

「だって肉が焼ける匂いがするからわかるでしょう」
肉が焼ける匂いは強烈で特別らしい。
その匂いや異様な音になれていく毎日。
今月末後悔される映画、
「関心領域」でも描かれる日常の恐ろしさだ。

日本でも戦場を語る帰還兵は少ない。
どんなことをしていたのか、
家族にはとても聞かせられずに墓場まで持っていく。
でもそれは決して褒められた話ではない。
例え国家が命じたことであっても、
やってしまったことはやってしまったこととして、
或いは国家だからこそ犯した罪として、
語り継いで繰り返さない努力は必要だ。



ネタニヤフはホロコーストを経験していない世代である。
親の世代は経験していても、
彼自身はホロコーストを直接知らない。
世界中で語り継がれているホロコーストを、
彼は今ガザでパレスチナに対して行っている。

人類とは何と愚かなものか。
この現実と核を作り出したことを思えば、
人類が自滅する日は近いのかもしれない。
反省もせず、自らを律することもできなければ、
その日はそれほど遠くはないだろう。

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「ゴジラ×コング 新たなる帝国」 [映画]



モスラ、参戦!そして、現れる史上最大の脅威…。
全世界が刮目する究極の共闘に、是非ご期待ください!!

レジェンダリー版「怪獣大戦争」。 
前回のキングギドラの扱いからして、
いやーな予感はしていたし、
大きな期待はしていなかったけれど。

娯楽大作としてはいいんだろうな。
単純にデカい怪物が戦って、
それぞれの力を誇示し合うその迫力。

でもね。
これが全部CGなわけで、
いくらIMAX画角で撮影された最初のゴジラって言っても、
やっぱりレジェンダリーが作っているだけあって、
コングが主人公なのよね。
「髑髏島の巨神」は予想もしていなかったから、
ラストで爆上がりしたけれど、
今やもう構図が見えたのでね。

ただCGだからこそできる、
細やかなコングやその他仲間たちとの会話、
表情や動作の細かさ、
これはなかなかに良くできていて、
最近の「猿の惑星」などもそのあたりのコミュニケーション、
これが実に面白い。
CGも特殊メイクも、
著しい発展を遂げてきたからこその楽しみであり、
まずはそこを楽しまなくてどうする?って話でもある。

これは私がひとえに東宝ゴジラ、
それも円谷プロの仕事が好きだからこそ、
感じることであり違和感を覚えることなのだけど、
ゴジラは決してジャンプなどしない。
おふざけで飛んでみたりシェーをしてみたり、
そんなことはあったけれど、
物理的に着ぐるみで重い尻尾を引きずるゴジラは、
飛んではならないし飛ぶこともないのだ。
そこで突っ込んじゃうのが私の悪いところだ。

と言うわけで、
途中から「面白いんだけどつまらない」と思っていた。
「ゴジラ-1.0」を観た後では、
CGの細やかな描写は健闘しているが甘い。
あくまでも何があっても、
アメリカ人にとって絶対的存在はコング。
ゴジラはその付け足しに過ぎない。
ましてやモスラなんて。





やはり最大の違和感は、
2014年に始めるこのシリーズは、
毎度のことながら放射能を軽々に扱いすぎる。
街中でもどこでもゴジラは放射能を吐く。
その様はまるで放射能による民族浄化、
戦争終結に至る過程を正当化するかのようだ。
所詮モナークも彼らの機関。
このシリーズにつきまとう、
アジアへの軽率な扱いぶりは変わらない。

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「コット、はじまりの夏」 [映画]



やっと見つけた、私の居場所―。1981年、夏のアイルランド。家族といても孤独だった9歳の少女コットが、親戚夫婦と過ごした“特別な”夏休みを描く、愛おしさに満ちた希望の物語。

たぶん初めて観たアイルランド語の映画。
全く聴き取れないし、
固有名詞はともかく、
なんとなくの名詞も聴き取れず。

コットの家庭は、
ある意味ものすごく典型的田舎のアイリッシュ。
オヤジはろくに仕事もせず、
酒と博打の生活で荒くれている。
そこへ持ってきてカソリックだから子だくさん。
全部確認できた自信がないのだけれど、
おそらく最後は7人だったと思う。
そんな中でコットは静かな少女(それが原題)。
親としてはどう扱っていいのかわからない。
おまけに母親は今にも子どもが産まれる状態で、
生活は苦しくて大変すぎる。
結果コットは母親の従姉妹の家に預けられる。
自分の感情を表すことを知らず、
自分の欲求もあるのかないのか、
それを出すことすら知らないコットは、
父親に送り届けられると荷物も降ろさず、
一応食事などして体裁は整えるが、
そこに置き去られるように車は遠ざかる。
愛情深くコットを見守り世話を焼く叔母。
愛想はないけれど遠くから見守る叔父。
2人に触れあううちにコットは子どもらしさを取り戻して行く。

不器用な人たちばかり。
本当は考えているし、
思いは人一倍なのにそれを表現できない。
愛していないわけじゃないけれど、
自分の不甲斐なさとどうしようもない生活に、
家族に当たり散らす以外できない父親。
そんな父親に振り回されながら、
子供たちを愛しながらもそれを表現しきれないほど、
生活と気持ちが追い詰められている母親。
姉たちはそんな生活がわかっていて、
ちょっと悪ぶったりコットをバカにしたり。
コットの目を真正面から見つめて、
愛おしそうに髪をとかして、
優しく浴槽で身体を洗ってくれる叔母。
恥ずかしいのか、何か傷が疼くのか、
コットに目もくれないけれど、
実はちゃんと見ていてくれる叔父。

最後のコットの言葉には号泣する。
口にした言葉の二つの意味。
「ああ」と思った途端に視界が曇る。

良い子だからじゃない。
ただ多くの家族に囲まれながら、
自分の感情を忘れてしまったかのようなコット。
父が爆発するのをおそれるコット。
子どもは人一倍空気を読むし、
人一倍気を遣うと言うことを忘れちゃいけない。
そしてそれを普通だと思っちゃいけない。
子どもは空気なんか読まないで、
気を遣うことなく自分の感情を出せないと、
将来何処かで歪んでしまうから。

だからこそこれが「はじまりの夏」なのだ。
原題には全くないけどw。



まぁあの父親なら、
最初は抵抗してもサッサと諦めそうだな。

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「リトル・エッラ」 [映画]



STORY
人と仲良くするのが苦手なエッラが、
唯一仲良くできるのは、おじさんで“永遠の親友”であるトミーだけ。
両親が休暇で出かけている間、トミーと過ごすのを楽しみにしていたエッラだったが、
オランダからトミーの恋人スティーブがやってきて、夢の1週間は悪夢へと変わる。
親友を取り戻したいエッラは転校生オットーの力を借りて
スティーブを追い出すための作戦に出るのだが…

「友とは人生の庭に咲く花」
なんと素晴らしい言葉だろう。
「友達なんて要らない。 
 叔父さんのトミーがいれば充分」
でも実はそうじゃない。
トミーにはトミーの人生があるし、
エッラにはエッラの正調がある。
でも互いの縁で広がって行く友は人生の花。
私はこの10年くらいで、
ラジオと言う媒体を通じて、
多くのオトナの知り合い、友達ができた。
もともと余り人付き合いの良い方ではない、
1人で行動するのが当たり前でそれがデフォルトの私、
まさかこの年齢になってから、
こんなに沢山の人たちと知り合うことになるとは夢にも思わなかった。

原題は「ミニ・ズラタン」。
ズラタン・イブラヒモヴィッチと言うスウェーデンのサッカー選手にちなんで、
サッカー好きのエッラをトミーが呼ぶ愛称。
まぁこれは「リトル・エッラ」で正解。
私も全然わからなかったものw。

とにかくこの手の映画は、
子役の演技力と可愛さにつきるのだが、
今回はなぜ「トミーと仲が良いのか」という点において、
トミーがゲイであること、
この部分がかなり大きな要素だった気がした。
彼は美容師、それもかなりの大物。
その彼の彼氏はオランダ人。
いくら理解がある北欧とは言え、
やはりそれなりに生きにくいこともあっただろう。
だから彼は優しくて思いやり深くて、
エッラの頼みにも無碍に断ることはしない。
それが純粋な子どものような心なのかと言えば、
決してそんなことはないだろうと思うのだ。
もしそうだとしたら、
いくら才能があるとは良いながらも、
美容師としてショーが開けるほど成功するはずもない。
オトナとして清濁併せ呑むことも知っていてなお、
エッラの純粋な気持ちに応えたいと思う優しさを持つ。
そしてだからこそ「友は人生の花」といえるのだろう。
本当の友は人生の花のようなものなのだと。

こういう映画を観ていると、
本当に多幸感で一杯になって、
世の中の全てを許せる気になってしまう。
そのくらいにエッラは可愛いし、
トミーはチャーミングで愉快で頼もしい。
ゴールデンウィークのさなか、
こんな楽しい映画で、
自分の大好きな場所で、
大好きなスープセットを食べながら、
時間を過ごせることの幸せを噛みしめる、
そんな映画だった。

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「帝銀事件 死刑囚」 [Amazon Prime Video]


帝銀事件 死刑囚

帝銀事件 死刑囚

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2021/09/24
  • メディア: Prime Video


1948年1月26日、東京都衛生課員を名乗る男が、行員16人に青酸化合物を飲ませて12人を殺害。無惨な大量毒殺事件は、平沢貞通被告が逮捕され、死刑確定する。拷問による自白、被告の精神疾患や証言の不明瞭さに加え、様々な背後の動きとともに、事件は闇の中に迷走する。

米軍占領下で起きた大量殺人事件。
自分がこの事件のことを知ったのは、
おそらく中学生の頃だったと思う。
法医学の本やら昭和の怪事件やら、
そういうものに興味を惹かれて、
その後何かしら書かれたものを見かけると、
都度何度も何十編も読んできたので、
自分の記憶も曖昧でいろいろな情報がありすぎる。
もちろんどこまでが推論で、
どこまでが事実がわからないことも多い。

この映画も100%事実ではないし、
推論も多く含まれている。
それでも平沢はやっていないという前提で、
彼が自白をしたとされて、
死刑囚となった過程が描かれる。
熊井啓監督はそう信じていたようだ。

実際そうだったのだろう。
だから平沢は獄中死した。
死刑になることはなかった。

一方異常な速さで死刑を執行された人がいる。
それが飯塚事件。
その飯塚事件を追い続けたドキュメンタリーが上映されている。


2002年に発生した事件。
戦後まもなくではない。
今もこうした事件と判決は続いている。




画面を観ていて、
藤岡重慶、庄司永健、井上昭文の顔を観て、
「わ。西部警察だ!」とほくそ笑んでいた。
日活だもの。
そりゃそうだわw。


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「日本列島」 [Amazon Prime Video]


日本列島

日本列島

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2022/01/06
  • メディア: Prime Video


昭和三十四年。日本基地のCID(犯罪調査課)のポラック中尉は、一年前のリミット曹長水死事件の謎を追えという特殊命令を下した。日本の警察は殺人事件として捜査を開始したが、米軍が強引に死体を本国に送還し、事故死として処理してしまっていた...。

「沖縄だって日本列島の一部だよ」
クライマックスでの二谷英明の言葉、
これが重くのしかかる。
今もって沖縄は一部ではあるが、
本当に日本の一部なのかわからない。
それどころか、
日本列島の一部には米軍基地と、
米軍の飛行ルートという眼に見えない国境がある。
それは厳然たる事実だ。
日本列島内が一つの国だなんて、
おめでたいことを思っている人は、
本当に知らないか、
知っていても認めたくないだけだ。

名前は変えているが、
下山事件も松川事件も三鷹事件も、
国鉄の組合のアカ化に対する、
キャノン機関の仕業だというのは巷間言われている、
当然この時代になっても、
そういう影響はあるに決まっている。
そしてこの当時だからこそ、
日本のあちらこちらに国境はあった。
そして治外法権も。
それは今の沖縄もまた同じ。
そこには日本の自治権はない場所が点在する。

きっとあの新聞記者も、
沖縄に住めばわかるのだろう。
当時はアメリカ占領下であり、
今よりも更に日本としての権利も場所も、
余りにも希薄だったに違いないから。

占領はまだ終わっていない。
日本は独立国家などではない。
そんな国家の人間が「愛国者」などとほざく。
わかってねーなと思う。

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「ウィッシュ」 [Disney+]




ウィッシュ MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

ウィッシュ MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2024/04/24
  • メディア: Blu-ray


<ストーリー>
願いが叶う魔法の王国ロサスに暮らす少女アーシャの願いは、100才になる祖父の願いが叶うこと。だが、すべての“願い”は魔法を操るマグニフィコ王に支配されているという衝撃の真実を彼女は知ってしまう…。みんなの願いを取り戻したいという彼女のひたむきな思いに応え、夜空から舞い降りてきたのは“願い星”のスター。スターに導かれ、相棒である子ヤギのバレンティノら仲間と共に、アーシャは立ち上がる。
「願いが、私を強くする」──アーシャとスターの運命の出会いが、王国に巻き起こす奇跡とは…?

大体が割合すぐにDisney+で観られるので、
それを待つのが普通。
多分DisneyPIXARのアニメを劇場で観たことはない。
なので今回もその流れ。

100周年の作品がこれか。

それが正直な感想かな。
いろんなキャラクターと絡めるのは良いけれど、
それが効果的とも言いにくいし、
そもそもストーリーが陳腐。
ステキな王様が実は独裁者の魔法使い、
民の願いを聞くと称してはその夢を閉じ込めて、
民の夢も希望も閉じ込めている。
その設定がもうなんか受け入れがたい。
で、アーシャは特別な力があるわけでもない少女で、
その願いの導きでスターと出会う。

キャラクターの強さもないし、
意外性も全くないし、
まぁ惹きつけられるとしたら、
今までとはちょっと違う作画の感じ。
だけど音楽もインパクトに欠ける。
1時間半盛り上がる気持ちになれないってのはどうも。

Disney+に入っていれば、
いつでも無料で観られると言うだけで、
まぁそれだけのことで観るのは良いけど、
お金を払う価値はないかなぁ。
一応新作は全部Disney+で観ているけど、
ここしばらくの中で最悪。
好みの問題はあるだろうけど。


子どもの目にはどう映るんだろう。 

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「マッシブ・タレント」 [WOWOW]




マッシブ・タレント

マッシブ・タレント

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/07/04
  • メディア: Prime Video


ハリウッドスター、ニック・ケイジは悩んでいた。多額の借金を抱え、心から望んでいた役は得られず、妻とは別れ、娘からは愛想をつかされていた。「かつて栄華を極めた俺の人生はもう取り戻せないのか―。」悲観する彼の下に、スペインの大富豪の誕生日パーティーに参加するだけで100万ドルが得られる高額のオファーが舞い込む。借金返済のため渋々受け入れたニックを、彼の熱狂的なファンだという大富豪ハビが待ち受けていた。

撮り逃しのないようにWOWOWシネマは24時間録画。
ちょっと魔が差して、
この映画を見始めてしまった。
もともとニコラス・ケイジは好きだ。
ブラッド・パックが全盛の中、
1人だけずば抜けて大人びた容貌でそこには入れず、
なまじ演技力があるだけに、
サブカルに好かれる監督たちに好かれ、
ハリウッド大作にも出演し、
大物俳優ともタイマンを張ってきた。
なのにその多趣味と浪費癖が災いして、
何度も何度も破産。
それでもまたかさむ借金を返すために、
彼は作品を選ばす出演し続ける。
本当はかなりの大物俳優のはずなのに、
その出演ペースは安いギャラの俳優のペース。

破産するのはコッポラ一族の運命なのか。
でもその名前を嫌って、
敢えて使わなかった男は今も忙しい男だ。

面白かった。
全く期待していなかったと言うのもあるが、
思った以上にバカバカしくて、
そのバカバカしさにふさわしくない演技力と、
その存在感の強さに圧倒されて、
ついつい見入って予想外に最後まで惹きつけられた。
借金まみれで家族とも巧く行かない。
おまけに俳優として賞味期限切れか?
それが本人役だ。
まったくもう破れかぶれにもほどがある。
だからストーリーもアクションも破れかぶれ。
あり得ないストーリーにあり得ない展開。
そのバカバカしさに思わず見入ってしまった。
いや、そのバカバカしさを演じて、
それでもなお惹きつける力がニコラス・ケイジにはある。
もはやそれは名人芸の粋だ。

あっちの話、こっちの話、
くっつけて出来上がったような映画ではあるが、
その映画を成立させられる男ニコラス・ケイジ。
彼の凄さを一番感じられる映画かもしれない。
シリアスな映画は山ほど観てきたが、
こんなコメディを演じながら、
彼に常に重心がある場面はすごすぎる。

彼こそ実はユニバースの中心に位置する人なのかも。

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「オールドマン」 [WOWOW]




オールドマン

オールドマン

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/11/03
  • メディア: Prime Video


<STORY>
深い森の奥に隠遁する老人(スティーヴン・ラング)の住む小屋に、迷子になった青年のハイカーがたどり着く。青年は助けを求めるが、老人はいきなり猟銃を突きつけ、「お前は殺人鬼かもしれない!」と全く信用しようとしない。老人は銃や刃物で青年を脅しながらも、めったにこない来客をどこか楽しんでいるようだった。緊張感が漂う中、老人に隠された“恐ろしい秘密”が徐々に明らかになり始め、青年に危険が襲いかかる。果たして、青年は無事に生きて帰ることができるのか…

前々から気になっていたし、
とりあえず放送されるなら録画。
で、観ているうちに既視感。
この不気味な老人、
「ドント・ブリーズ」の雰囲気満載。
で、予告を見てわかった。
この爺さん「ドント・ブリーズ」の爺さんその人だった。

途中で青年に不穏なものを感じて、
「これ、コイツがサイコパスじゃねぇか?」
実は爺さんを上回るサイコパスで、
これから大変な異ならないか?
なんてことを考えていたら、
予想とは違って内的な方向に話が向かった。
途中までは「これ爺さんをイーストウッドがやったら面白くね?」
「イーストウッドの方が含みがいろいろある分だけむしろ怖そう」なんて思っていた。
まぁそう思うくらいには面白かった。
「すると青年は?ブラッドリー・クーパーでは良い男過ぎる。」
「もう少し平均的アメリカンなつまらないタイプは誰だ?」
なんて暢気に思っていたのだけれど。

まぁこの脚本と結末では、
さすがにB級が精一杯。
申し訳ないけどイーストウッドがもったいない。
嫌いじゃないけれど。

つくづくホラーの展開と着地点は難しい。
スティーヴン・キングがいくらすぐれたホラーを書いても、
映画化が必ずしも成功するとは限らないのは、
ほんの少しの緊張感を削ぐ要素が、
全てを台無しにしてしまうからに違いない。

一度は見るけど二度は見ない。

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「THE WITCH/魔女 ―増殖―」 [WOWOW]



秘密研究所アークが何者かに襲撃され、殺戮の中でひとりの少女が生き残る。その少女は、遺伝子操作によって超人的なアサシンを養成する〈魔女プロジェクト〉の実験体だった。初めて研究所の外に出た少女は、ある姉弟と出会うことで、徐々に人間らしい感情に目覚めていく。しかし少女の秘められた力を危険視した〈魔女プロジェクト〉のペク総括は、彼女を抹殺しようとする。さらにアークを襲撃した謎の超能力者集団や、姉弟を狙う犯罪組織も加わり、哀しき宿命を背負った少女との壮絶なバトルの火ぶたが切って落とされる!

2022年作品か。
韓国映画の製作が多くて、
ハリウッド、DisneyPIXAR中心の日本では、
とても大手メジャーシネコンに入り込む余地がない。
漫画原作があふれていてオリジナルストーリーが少ない邦画より、
遙かにスケールもでかくて面白い脚本演出演技があふれているのに。

とにかくこのシリーズ、
血糊の量が半端ない。
前作もそうだったけど、
今作も冒頭からまぁ見事な血まみれ。
全くガキに阿る気持ちが感じられない。
そのガキが恐ろしくて究極の存在なのに。

最初は怠い。
前作の軽快さと後半のダークスリラーの対比も感じられず、
ただひたすら1人の少女を追う組織がいくつか。
英語を操る部隊。
中国語を操る部隊。
少女が身を寄せた姉弟に襲いかかるチンピラ。
こいつらがバラバラなときは怠いなぁと思ったけど、
束になってかかってくるととんでもなくなる。
もちろんお互いに協力するわけではなく、
ただひたすら出し抜いて少女を殺そうとする。
そして襲ってくるのは前作同様の魔女プロジェクトの生産物。
アクションとしては反則なんだけど、
パワーアップと見れば面白いし迫力満点。
でも前作の方が密室的展開が良かったかな。

まぁ白眉はキム・ダミが出たところから。
ここからがとんでもない魔女が相対する。
そしてこれが何とまぁ。

多分このあとも製作されているんだろうし、
この作品が「帝国の逆襲」的位置づけなのか、
今は判断がつかない。
ただやはり一作目の様なインパクトはないし、
と同時に一作目のキム・ダミの様な無邪気さと凄味の同居がない。
全体的には前作よりスピードダウンしているし、
スケールアップはしているように見えるが、
実は彼らの戦いは外より中の方が迫力と技が映える。

とりあえず「観なくちゃ」と思ってきたので、
観られたことには満足。
続けて観ない方が幸せかもしれないが。

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