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「教祖誕生」 [WOWOW]




教祖誕生 [DVD]

教祖誕生 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2011/02/25
  • メディア: DVD


【ストーリー】
暇を持て余す大学生の和夫(萩原聖人)はその布教活動のインチキ臭さに興味をひかれ、とある新興宗教団体に加わる。
浮浪者あがりの男(下条正巳)を教祖に据えた怪しい教団―。
その内部では、宗教を金儲けの手段と考え、教団を裏で牛耳っている主管の司馬(ビートたけし)、経理担当の呉(岸部一徳)と、
純粋に教祖を崇める真面目な青年部リーダー・駒村(玉置浩二)達が対立を深めていた。
そんな折、司馬の怒りをかって教団を追われる事になった教祖に代わり、二代目の教祖として、和夫に白羽の矢が立てられるのだが・・・。

ときどきWOWOWって、
こういう映画をリクエストで放送してくれる。
WOWOWの経営は苦しいらしいけど、
配信でも見られない様な映画をかけてくれるのは、
この映画のはなしではなくても貴重な機会なので、
何とか頑張って欲しいなぁと思う。

いきなり下條正巳のすっとぼけ具合にやられる。
それを世俗的な利益だけで利用して、
その気になってきたら金を払って追い出す司馬。
最初は好奇心から参加した和夫は、
いきなり二代目教祖に祭り上げられ、
形だけのはずが修行などするうちにその気になり。

特定の宗教がモデルなのかはわからない。
だけど北野武の目から見れば、
そんな新興宗教もこんなモノなのだろう。
宗教2世の問題が表沙汰になってから、
一時メディアはこぞって特集したが、
生憎その放送を続けられるほど日本は平和でなくて、
今では子どもを虐待する宗教も、
ケツの毛まで抜く宗教も忘れてしまった日本人も多いだろう。
「鰯の頭も信心から」とはよく言ったもので、
良いことが起これば熱心に信じたから、
悪いことが起これば信心が足りないから。
洗脳されてしまえばなんでも教団の思いのまま。

最近ニッポン放送の「テレホン人生相談」を聴くのだが、
あそこに相談をしに来る人のうち、
半分くらいは宗教に転びそうな人たちだ。
「こういうところカラなのかなぁ」
そんなことを思いながら聴いている。
いくらいろいろ訴えてみても、
「嫁が悪い」「息子が悪い」「旦那が悪い」
自分は省みることがない。
そうなるとすがるのは神なのかもしれない。
自分の力ではどうにもならないから、
神にすがって少しでもどうにかしたいと願うのかも。

爽快な話とは言い難いが、
当時から北野組おなじみの、
岸部一徳の怪演ぶりがむしろ格好いい。
これがやがて利休になるのかと思うと、
思いはひとしおである。


北野武なりの歴史観や宗教観。
つくづくこの人の頭って理系だなぁと思う。
下町生まれの下町育ち、
ウェットな情もある人なのに、
こと映画に関しては情ではなく仕組みを描く。
情も「切ること」による情を描く。
そこが昔の五社協定の時代に育った人とは違う。

早く「首」が円盤にならないかな。 

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