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「血を吸う薔薇」 [ストリーミング]


血を吸う薔薇  [東宝DVD名作セレクション]

血を吸う薔薇 [東宝DVD名作セレクション]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2015/08/19
  • メディア: DVD


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
山本迪男監督による「血を吸う」シリーズ第3作。八ケ岳山麓にある聖明学園に就任した教師の白木は、宿泊した学長邸で夢遊病状態のままふたりの女性と出会った。翌朝、目覚めた白木は地下室で祭壇と黒い棺を発見し…。

「血を吸う」三部作最後を飾るにふさわしい、
見事なキャスティング。
いきなり登場するは黒沢年雄。
どう考えてもこのシリーズふさわしくない濃い男。
そしてなぜか若き日の阿川泰子に、
田中邦衛がマジで良い演技で好演、
更には伊藤雄之助まで出てくる。
注目すべきは時代背景。
1974年という時代を物語るネクタイの太さは、
この頃のちょっとサイケでフリーな雰囲気の権化?。
今までの怪奇シリーズになかったおっぱいも出てくるし、
女子大生という存在に全寮制の魔力w。
3年前に作られた「血を吸う館」とはまるで違う世相反映。
面白い。
これだけでも面白すぎるぞ、このシリーズ。
お色気と奇妙なサイケぶりと濃すぎる黒沢年雄。
もうこれだけでこの作品は傑作だ。

と言うことで、
本来の作品の意図とは違うところで、
喜んでみている私w。
まるでMJが乗り移ったかのようw。

この3作品、
時代が激しく動いていたことがわかって、
この時代を覚えている自分には最高に面白い。

ゴメン。
そこが気になって怪奇シリーズとして楽しむのはどっか行ったw。

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「呪いの館 血を吸う眼」 [ストリーミング]


呪いの館 血を吸う眼  [東宝DVD名作セレクション]

呪いの館 血を吸う眼 [東宝DVD名作セレクション]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2015/08/19
  • メディア: DVD


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
山本迪男監督による「血を吸う」シリーズ第2作。秋子は中学教師をしながら富士見湖畔に妹の夏子とふたりで暮らしていた。ある日、レストハウスの管理人・久作の下に、大きな柩が届けられ…。吸血鬼役は岸田森。

今度は高橋長英ですよw。 
それに大滝秀治も発見。
岸田森は言うに及ばず、
相変わらず高品格も怪演。
もうタマランチ会長ですわw。 

「フランケンシュタインの花嫁」的要素も織り込みながら、
日本の吸血鬼ものの先駆けとしてはかなりの力作、
何より岸田森の断末魔の叫びのなながうつし、
アレをでかいスクリーンで観たらトラウマ必至w。

やっぱり良いわー。
このシリーズ、
作品ごとに楽しみがある。
日本に吸血鬼を持ち込む無理筋も、
ちゃんとそれらしく解決しているところ良いしw。

最近の神経を逆なでするような、
何ともいえないホラーより笑えて楽しいw。


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「幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形」 [ストリーミング]


幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形  [東宝DVD名作セレクション]

幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形 [東宝DVD名作セレクション]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2015/08/19
  • メディア: DVD


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
山本迪男監督による「血を吸う」シリーズ第1作。恋人の野々村夕子に会いに行ったきり音沙汰のない兄を捜し、妹の佐川圭子は蓼科山中の野々村家を訪れる。ところが、兄は4日前に帰り、夕子はすでに亡くなっていた。

いきなり中村敦夫登場。
もうその存在感の強さが画面を支配。
そして松尾嘉代に中尾彬。
この登場人物だけで横溝正史の世界w。

五者協定時代の映画会社に所属した俳優って、
今考えるとスゴイあくの強さだし、
その後の活躍を考えるとこの当時の新人とはいえ、
かなりの存在感と個性の強さが光っている。

正味1時間半もなくて、
今の2時間ドラマほどの内容もないのだけれど、
和製ホラーとしては良くできているし、
ちょっと雰囲気が「カメラを止めるな!」にも似たロケ地だったり、
いろんな意味で元祖なんだなぁと。

いやいや、
東宝怪奇シリーズ、
当時の車やファッションを観るのも楽しいし、
後の大物俳優たちの若き日の姿も楽しい。
でもきっと今の若い人も楽しめると思う。
コンパクトだけどそれだけに緊張感が続いて面白い。

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「また、本音を申せば」 [本]


また、本音を申せば

また、本音を申せば

  • 作者: 信彦, 小林
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/04/22
  • メディア: 単行本


名作映画「この世界の片隅に」をみながら疎開体験を苦く思い起こし、終戦の日々を書き残す。大病から生還し、青春時代から愛読した太宰治や、坂口安吾の長編ミステリを読み返す。久しぶりに書店へ行って最新海外ミステリを選ぶ楽しみ―。「週刊文春」で『人生は五十一から』連載が始まってから21年。途中でタイトルが『本音を申せば』に変わっても、面白い本も映画も、東京の思い出も尽きない。
2017年4月、脳梗塞で入院した顛末は、『生還』(2019年3月刊)に詳しい。本書は、2017年から2019年、足掛け3年にわたるクロニクルである。

「生還」は闘病記だったから、
クロニクルエッセイは何年ぶりか。

毎度読んでいて思う。
「ああ、小林信彦さんの文章は本当に気持ち良い」
脳梗塞を患ったものの、
神様は小林信彦氏に利き手を残してくれた。
おかげでこうしてまた文章を楽しめる。
病気もあって外で映画を観ることはかなわないが、
TVとメディアで楽しんで語ってくれる。
ラジオの話もいつも通り。
年齢も年齢なので、
病気をした跡でもあるので、
同じコラムを昔と同じように書くのは大変だろうが、
それでもファンの心を満たしてくれる。
今回はミュージカル映画への思いが語られる。
私はミュージカル映画は好まないが、
それでも黄金時代、名作ミュージカルの話は楽しい。
何よりも楽しんで筆を滑らせているのがわかる。

1年に1冊のクロニクルエッセイではなくなってしまったが、
こうして新刊で読めることが嬉しい。
(それなら週刊文春を読めとと言われるだろうが)
週刊誌ではなく1年に1冊、
春に出ると言うこのローテーション、
また復活してこれからも続けてもらえれば、
こんなに嬉しいことはない。

この文章の小気味よさは、
ついついページを繰らせる魅力がある。


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「小田嶋隆のコラムの切り口」 [本]


小田嶋隆のコラムの切り口

小田嶋隆のコラムの切り口

  • 作者: 小田嶋隆
  • 出版社/メーカー: ミシマ社
  • 発売日: 2020/03/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


内容(「BOOK」データベースより)
天才コラムニストの技がいかんなく詰まった傑作コラム集。ブログ、SNSなどの執筆の参考にも…。

ミシマ社の本が好きだ。
以前山田ズーニーのPod Castsで紹介されていて、
「この出版社の作る本は信頼できる」と感じていて、
「自分達が読みたい本」「自分達が面白い本」を考えて、
「売れる本」「平積みにされる本」ではなくて、
まずは「本」というものの価値を大事にしていると思ったから。

「上を向いてアルコール」も良かった。
なので思わずこの本も買ってしまった。

年代も書かれた雑誌もバラバラ、
だけど小田嶋さんらしいコラムが集まっていた。

中でもかなりショックを受けたコラムがあった。
それは後藤健二さんと湯川遙菜さんがISに殺された事件を扱った、
「諸刃のフェイク」というコラムだった。
「食いつきの良い映像」「美味しい映像」を垂れ流す、
日本のメディアに対するキツイ内容だった。
それも海外メディアではISが扇情的にプロパガンダとして利用する、
一連の映像を一切流さないのに対して、
日本のメディアは使い続けた。
その一方で事件に配慮するように番組や歌手の歌う曲。
総てを書いてしまっては意味がないので、
本文は是非とも読んでいただきたいのだが、
日本人の本音と建て前のようなもののエゴイズム、
そこに潜むフェイクというまやかしが浮き彫りになっている。

小田嶋さんは厳しいことばかり言うわけではなく、
時にはちょっとゆるいことも言う。
でも絶対的にこの人の言葉が好きなのは、
飾らない言葉で事象を語り、
そこに激しい感情など持ち込まないからだ。

ちょっと俯瞰で眺めながら、
ちょっと足を突っ込んでみながら、
ちょっと引いた場所から客観的に。

小田嶋さんを信用できるのはそのスタンスだからだ。


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「浪人街」 [映画]


あの頃映画 「浪人街 RONINGAI」 [DVD]

あの頃映画 「浪人街 RONINGAI」 [DVD]

  • 出版社/メーカー: SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
  • 発売日: 2011/12/21
  • メディア: DVD


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
時代劇の名作『浪人街』を原田芳雄、勝新太郎ら豪華俳優陣を迎えてリメイク。江戸下町の一膳めし屋の“まる太”で、町の用心棒・赤牛弥五右衛門と新顔の荒牧源内が店の払いをめぐって対立するが…。

数年前原田芳雄特集としてWOWOWで放送されたものを録画、
先日の「時代劇の脇役特集」で石橋蓮司が取り上げられた折、
友人よりこの作品のオススメがありやっと観る。

と、その後も延々感想を書いたのだが、
全部なぜか消えてしまった。
もはや私ごときが何を語る必要もないと言うことか。

勝新太郎も本領発揮の茶目っ気に、
飄々とした田中邦衛もまた良し。
悪役中尾彬もこれ以上ないワルぶり。
石橋蓮司は最初から最後まで格好良すぎる!

と言うことで、
Blu-rayにすらなっていないこの作品、
今となっては時代の徒花か?
いやいや、元がしっかりとした娯楽時代劇、
今観ても充分過ぎるほどに面白い。
マキノの名に恥じぬ作品になっているので、
この素晴らしさは残すべき。

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「美女と液体人間」 [ストリーミング]


美女と液体人間  [東宝DVD名作セレクション]

美女と液体人間 [東宝DVD名作セレクション]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: DVD


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『ゴジラ』の本多猪四郎監督によるSFサスペンス。ある夜、交通事故で死んだ男の死体が忽然と消えた。やがて、捜査陣は液体人間の存在にたどり着くのだが…。円谷英二が特撮を担当。

変身人間シリーズの第1作目と言うことで、
さすがの本多猪四郎監督でも作りが甘いし、
何といってもクライマックスのやり方がひどすぎる。
当時は空襲を想像した人も多かったんだじゃないだろうか。

とはいえここから始まり、
やがて「ガス人間」へと徐々にギアを上げていくのがわかるので、
これはこれで貴重な歴史の第一歩である。
白川由美の美しさ、スタイルの良さ、 
実に見事で目の保養である。
後に大物になっていく役者も多数登場、

それにしても円谷英二作品の凄さ、
本当にこの人の名前があるだけで、
特技映画は観る価値がある。

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「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」 [映画]



■STORY
19世紀、アメリカ、マサチューセッツ州ボストン。
マーチ家の四姉妹メグ、ジョー、ベス、エイミー。情熱家で、自分を曲げられないため周りとぶつかってばかりの次女ジョー(シアーシャ・ローナン)は、小説家を目指し、執筆に励む日々。自分とは正反対の控えめで美しい姉メグ(エマ・ワトソン)が大好きで、病弱な妹ベス(エリザ・スカレン)を我が子のように溺愛するが、オシャレにしか興味がない美人の妹エイミー(フローレンス・ピュー)とはケンカが絶えない。この個性豊かな姉妹の中で、ジョーは小説家としての成功を夢見ている。
ある日ジョーは、資産家のローレンス家の一人息子であるローリー(ティモシー・シャラメ)にダンス・パーティで出会う。ローリーの飾らない性格に、徐々に心惹かれていくジョー。しかしローリーからプロポーズされるも、結婚をして家に入ることで小説家になる夢が消えてしまうと信じるジョーは、「私は結婚できない。あなたはいつかきっと、もっと素敵な人と出会う」とローリーに告げる。
自分の選択でありながらも、心に一抹の寂しさを抱えながらジョーは小説家として自立するため、ニューヨークに渡る――。

アカデミー賞にあがっていたけれど、
個人的に好みじゃないから観るつもりもなく、
全く無視してきたのだけれど・・・。
Twitterで「良かった!」のつぶやきを読んだり、
先週映画館で予告編を観たら観たくなり、
迷いつつも結局は足を向けてしまった。

「若草物語」は母親の憧れで、
小さな頃からよく聴かされていたし、
本も読まされた記憶がある。
しかしながら幼い頃よりちっとも女子力がなかった私は、
全く感動もせず、
遠い異国のおとぎ話のように感じていた。
そもそも母親は5姉妹私は一人っ子。
感情移入など子供である私には未経験すぎてわからなかった。
その記憶があったからだろう、
映画が始まった当初は何か違和感があり、
四姉妹の仲の良さも恋物語も「ふ~ん」という感じだった。
しかし母親を演じるローラ・ダーンの肝の据わった優しい母親、
徐々に個性の違いを明確にしてくる姉妹たちに、
グイグイと引き込まれていき、
スパイスのように登場するメリル・ストリープ演じる叔母の存在にほくそ笑み、
最後には「ああ、本当に良い映画だった」と感動していた。

昔読んだときから、
自分としては性格的に思い入れがあるのはジョーだったので、
彼女のこの物語での台詞一つ一つに頷いた。
そして母から「それは愛じゃない」とたしなめられるところも。
南北戦争のこの時代に、
こんな家族や愛の形があったとはなかなか信じがたいが、
そこは映画、フィクションなので楽しめば良い。
登場する男たちが都合の良い素敵な男であることもw。

男性には厳しいところもあるだろうが、
女性ならば四姉妹か母親は叔母、
誰かしらに感情移入できるだろうし、
それぞれの考え方を理解できる人もいるだろうから、
きっと見終わる頃には満足感を味わえるだろうし、
ホッと温かいものに包まれると思う。
そしてアカデミー賞を取った衣装の素晴らしさ。
観れば観るほど楽しみがある映画だと思う。

それにしてもローラ・ダーン、
歳を取ってこんな良い女優になるとは思わなかった。
「デヴィッド・リンチのお気に入り」だった時代、
エキセントリックな時代が遠い過去になってしまった。

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「ガス人間第1号」 [ストリーミング]


ガス人間第1号  [東宝DVD名作セレクション]

ガス人間第1号 [東宝DVD名作セレクション]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: DVD


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『ゴジラ』の本多猪四郎監督が三橋達也と八千草薫の共演で描いたSFサスペンス。姿なきギャングの完全犯罪。警察をあざ笑う犯人の正体は、脅威のガス人間だった。

このシリーズの中でも、
さすがに本多猪四郎監督作品、
作品の格が全く違う。
お金のかけ方も脚本もストーリーの品格も、
俳優たちのランクも演技も別格。
 
塑俺にしても八千草薫のなんたる美しさ。
踊りも所作も含めて美しい。
土屋嘉男の一途な演技も素晴らしい。
「ガス人間」という怪奇ものの存在、
ガス人間として愛する女性を助ける男の心の深さ、
その愛を受け止める藤千代の覚悟、
悲劇に向かうクライマックスへの盛り上がり、
実に見事で素晴らしい。

「ガス人間第1号」という題名と内容から、
怪奇ものの一作として扱われてしまうが、
これは日本映画の歴史に刻まれるべき作品。

本多猪四郎監督の傑作。
ぜひアマプラの無料期間中に多くの人に観て欲しい。
これほどの作品はなかなかない。

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「電送人間」 [ストリーミング]


電送人間  [東宝DVD名作セレクション]

電送人間 [東宝DVD名作セレクション]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: DVD


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『エスパイ』の福田純監督が鶴田浩二主演で描いたSFサスペンス。科学が生んだ悪魔・電送人間が、敗戦時の怨みを晴らそうと怪電波に乗って計画犯罪を重ねていく。共演は白川由美ほか。

東宝の怪奇シリーズが、
軒並みアマプラで無料。
待った甲斐があったというもの。
当時は大部屋役者の一人だった、
後の大物の顔が見られるのも楽しみの一つ。

その後も存在感ある不気味さを示した中丸忠雄が怪演。
戦争時に起きた事件の復讐を果たしていく。
そして当時の警察うかつすぎw。
風景同様牧歌的な雰囲気で、
人が殺されているのになんかのどか。

でもさすがに円谷英二作品、
良くできているしよく考えられている。
更にコンパクトながらストーリーも秀逸。
今観ても充分に鑑賞に堪えられる。

当時このシリーズが受けたのもよくわかる。
復興と上記の日本で、
まだ戦争の遺恨を残す時代、
何があってもおかしくない世情不安と、
高度成長期の勢い。
時代がこういう映画を欲したのだ。

残念ながら今もで電送人間は不可能だが。

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