SSブログ

「怪物はささやく」 [ストリーミング]


怪物はささやく [Blu-ray]

怪物はささやく [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: Blu-ray


【ストーリー】
12歳の少年コナーは、難しい病を抱えた母親と2人で裏窓から教会の墓地がみえる家に住み、毎夜悪夢にうなされていた。
ある夜、コナーのもとに怪物がやって来て告げる。
「今から、私はお前に3つの【真実の物語】を話す。4つ目の物語は、お前が話せ。」しかも怪物は、コナーが隠している“真実"を語れと迫るのだ。
頑なに拒むコナー。しかしコナーの抵抗など意にも介さず、その日を境に夜ごと怪物は現れ物語の幕が上がる―。

シガニー・ウィーバーの出演作を検索していて、
以前から気になっていたところに、
友人から「ものすごく良い、オススメ」があって、
アマプラで無料だったし思い切って。

先ず主人公の少年の佇まいが良い。
孤独な彼の境遇を映し出す瞳の暗さと、
少年らしい無邪気さが同居する繊細さ。
そして怪物の造形、
特に瞳の表情の素晴らしさ。
今は別れて暮らす父親、
そりが合わないけれど同居している祖母、
それぞれが悪人ではないし、
それぞれが事情を抱えて苦悩している。
少年は病と闘う母親に甘えたくても甘えられず、
その境遇がわかっているからより孤立していき、
怪物との寓話と会話にどんどんはまっていく。

心を無にして、
そのまま世界に埋もれてしまうと、
もう最後には胸熱で涙が止まらなくなる。
祖母との心が通じ合う瞬間、
母親に心を開く瞬間、
少年の心が少年に戻る瞬間、
母親と時間を共感したことを知った瞬間、
総てが怒濤のように押し寄せてきて、
何もかもがスッキリと心におさまっていく。

地味だけれどとても良くできた映画。
本当に映画館で観られたら良かった。
この世界観は特別。
それにしてもシガニー・ウィーバー、
いくつになっても美しい。

コメント(0) 

「デッド・ドント・ダイ」 [映画]



鬼才ジム・ジャームッシュ監督最新作は、カンヌ映画祭で世界を沸かせた、まさかのゾンビ映画!主演は『スター・ウォーズ』新3部作のアダム・ドライバー、『ゴーストバスターズ』のビル・マーレイ。ほかティルダ・スウィントン、クロエ・セヴィニー、スティーヴ・ブシェミ、セレーナ・ゴメス、イギー・ポップ、トム・ウェイツら史上最強ファミリーが大集結。コーヒー・ゾンビからWiFiゾンビまで、最高にユーモラスな生ける屍たちに、田舎警察の迷コンビが立ち向かう!
アメリカの田舎町センターヴィル。3人だけの警察署で働くロバートソン警察署長(ビル・マーレイ)とピーターソン巡査(アダム・ドライバー)は、いつもの他愛のない住人のトラブルの対応に追われていたが、突如、街にゾンビが出現しだし、思わぬ事態に巻き込まれていく・・・。

ジム・ジャームッシュかく語りき、
「由緒正しきゾンビ映画とはかくあるべき」と。

と言うことで、
壮大なネタバレがいくつかあるので、
多くは語れないのだけれど、
緊急事態宣言以降映画館から遠ざかっていたので、
復活リハビリ作品として、
この作品は自分には最高のオフ・ビート感覚とユーモアで、
COVID-19に怯える今の世相を鑑みながら笑ってしまった。
最近「たまむすび」の「面白い大人」で、
ゾンビについて語られていたこともあって、
正統派ゾンビの在り方、
クラシックなゾンビ映画の在り方について、
ジム・ジャームッシュなりの感覚で表現されたことを、
心の底から楽しめた時間だった。

何しろ主役二人がアダム・ドライバーとビル・マーレーなんだから、
これがすっとぼけていなくてどうするという話。
おまけにあのティルダ・スウィントンとくれば、
そりゃもうどう料理するかは、
ジム・ジャームッシュじゃなくたって、
一癖も二癖もある話になって当然。

と言うことで、
ゾンビ映画ではあるがスリラーでもホラーでもない、
紛れもなく「ジム・ジャームッシュ」というジャンルの映画。

こういう感覚、
映画館で体験体感するのは、
家では絶対に感じられない五感が働く。

コメント(0)