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「波止場」 [ストリーミング]




波止場 [Blu-ray]

波止場 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2013/06/26
  • メディア: Blu-ray


内容紹介
ニューヨークの波止場で働くテリーは、港を牛耳るジョニーの命令によって兄チャーリーが仲間を殺す現場を目撃してしまう。殺された男の妹イディの嘆き哀しむ姿に心が揺れたテリーは、法廷での証言を決意する。しかし、それを察知したジョニーは口封じのために様々な脅しで妨害し、遂には兄チャーリーまで殺されてしまう。意を決してテリーは、正義を貫くためジョニーの本拠地へ乗り込んでいくが…。世界中の俳優から尊敬される実力者マーロン・ブランドの迫真の演技は、今もなお観るものに衝撃を与える。『エデンの東』などの巨匠エリア・カザン監督作品。

町山さんの「ロッキー」は多くの場面や台詞、
設定の部分を波止場から引用しているとのことで、
前々から興味もあったことだし、
ここらで観ておこうと。

うーむ。
まぶたのメイクが雑でキニナル。
でもマーロン・ブランドの演技、
ロッキーの演技とものすごく重なるし、
風景ややっていること口にすることも、
確かによく似ているのだなぁ。
スライが「波止場」が大好きで、
リスペクトで描いたというのが良くわかる。
そしてマーロン・ブランドの演技が、
実に細やかで見事に繊細なごろつきを演じている。
そのプロボクサーからごろつきへの転落も、
ロッキーはそうなりそうで、
自ら這い上がろうとする道を選ぶと言う、
対比が目立っていて、
落ちてしまったが故に誤解されたまま、
自分に対する他人の態度や評価を払拭できず、
不器用に生きる男がマーロン・ブランドによく似合う。

まさかその後、
マーロン・ブランド自身がマフィアのボスを好演し、
代表作になるとは思っていなかっただろう。

と言うことで、
そう言う意味でのボスとテリーの対比を、
どうしてもしてしまう。
港湾を仕切るやくざ程度では、
マフィアのボスとは格が違うが、
それでもドン・コルネオーネは別格。
わだかまる、鬱積する思いが労働者にあれば、
噴出するときが来るのも当然。
それをうまくやれるかやれないか、
声を聴き采配できるかできないか、
それで大きな違いが出てくる。
そんな小物ぶりを見せつけるのも、
ある意味この映画では魅力的だと思える。
そう言う立場の人たちの映画だから。

時代設定に古さはあるが、
物語として演技として演出として、
充分に今でも鑑賞に堪えるし、
観ていて心がざわざわする。
案外こう言う映画が現代は少ないので、
機会を得て観ることはとても収穫になる。

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「スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち」 [ストリーミング]


スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(字幕版)

スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2021/03/22
  • メディア: Prime Video


【解説】
CG技術の発達と共に迫力ある映像に満ちたハリウッド映画が日々作られている中、CGでは表現出来ないアクションシーンをより緻密に表現するため、ハリウッドではいまでもスタントパフォーマーたちが活躍している。昨今、このスタントパフォーマーの存在はこれまで以上に映画産業の中で重要視され、アカデミー賞におけるスタント部門の設立などが声高に叫ばれてきている。しかしハリウッドでははるか昔からスタントウーマンたちが活躍し、男性中心のスタントパフォーマーたちの世界で彼女たちの地位や権利を守るために戦ってきた歴史があった。本作は、『トゥルーライズ』『ワイルド・スピード』『マトリックス リローデッド』をはじめとした映画史に残るアクションシーンを演じてきたスタントウーマンたちの証言で紡ぎだすドキュメンタリー。息を呑むような名シーンの数々を彼女たちはいかに作りあげてきたのか。彼女たちスタントウーマンたちの日々の鍛錬の様子やスタントウーマンの歴史を通して、ハリウッド映画の最前線で活躍するプロフェッショナル達の
姿を映し出す。

劇場公開時に観たかったけれど、
公開規模が小さくて都合も合わず、
Netflixで観られるがわかって。

思えば大昔から、
アクションは映画の見せ場であり、
それは男性も女性も関係なかった。
そう言う意味でスタントウーマンが産まれたのは、
需要と供給、時代の必然だっただろう。
だからベテランクラスのスタントウーマンへのインタビュー、
これが文句なく面白い。
スタントマン協会への加入を断られ、
スタントウーマン協会の設立となる流れも、
時代とジェンダーの必然だった。

版権の問題もあったのか、
思ったよりはスタントの映像は多くなく、
殆どがインタビューに費やされる。
できれば映画の場面とスタントウーマンの話、
それがもっと欲しいところだった。

ただインタビューの中にも出てくるが、
俳優であろうとスタントウーマンであろうと、
あるいはアクション監督であろうと、
「女性」というジェンダーがそこにあるだけで、
一つの確実な障害になっていたことは間違いない。
それがこの映画にも影響したのかも知れない。
ハリウッドの体質の古さは、
黄金時代から余り変わらないのだろう。

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「あの夜、マイアミで」 [ストリーミング]



「あの夜、マイアミで」は60年代の公民権運動や文化のうねりのさなか、各界のカリスマ的存在であるモハメド・アリ、マルコムX、サム・クック、ジム・ブラウンが自分たちの役割を熱く語り合う特別な一夜を描いている。

あくまでもこれは架空の物語。
舞台劇を基にした映画。
どの役者が誰に似ていないとか、
そんなことは些細なことでしかない。
1964年2月という特別な時期に、
黒人の中でも特別な存在である4人が、
お互いの立場を知りつつも、
自分達の役割を踏まえて本音をぶつけ合う。
そんな特別な夜の想像の会話。

BLMが世界的に盛り上がる今、
彼らが60年代前半から中盤にかけて、
どんな存在であったかを知り、
どんな役割を果たしてきたかを知る。
それだけでも充分に面白いのだが、
そこで公民権運動について、
彼らなりの言葉を戦わせる。
そしてそれから彼らが生きるべき道、
進むべき道を考えるとそれは実に興味深い。

個人的に関心を持ったのは、
これが「メイキング・オブ・モータウン」で語られる、
デトロイトから彼らが立ち上がってきた時期、
彼らは果たして公民権運動を意識していたか?
映画の中で語られるのは「如何にして白人を巻き込むか?」だった。
自分達の音楽を広く売るためには、
白人の購買力を利用しない手はないと、
彼らはデトロイトという出自も手伝ってか、
臆面もなく自分達のマーケティングを繰り広げた。
そして音楽に政治的メッセージを織り込むようになるまでには、
この映画に登場するサム・クックやマルコムXが死ぬのを待たねばならない。

今こうしてこう言う映画が作られること。
それこそがストリーミング配信も含めて、
多くのすぐれたクリエーターを生み出し、
多くの問題提起をすることに直結する。

それから4人はそれぞれの道を歩く。
ただ「蝶のように舞いハチのように刺す」のは、
カシアス・クレイだけではなかったと思った。
それぞれがそれぞれのフィールドで、
蝶のように舞ってハチのように刺して、
そしてそれぞれの運命を辿っていったのだ。

歴史の一幕は闇に隠れている。


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「私の家政婦ナギサさん」 [ストリーミング]


私の家政夫ナギサさん Blu-ray BOX

私の家政夫ナギサさん Blu-ray BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2021/01/13
  • メディア: Blu-ray


【あらすじ】
製薬会社のMRとしてバリバリ働くキャリアウーマンの相原メイ(多部未華子)は、仕事は誰よりもできるのに、家事が全くできないアラサー独身女性。
そんなメイの28歳の誕生日の夜、彼女の散らかり放題の部屋に、突然見知らぬおじさんが現れた! その正体は、全ての家事を完璧にこなすスーパー家政夫・鴫野ナギサ(大森南朋)だ。
ひょんなことからナギサさんを家政夫として雇うことになってしまったメイだが、「おじさんが家にいるなんて、絶対イヤ! 」と最初は拒むも、いつしかナギサさんの存在に安らぎや温かみを感じていく。
一方、仕事では、無敵のMRであるメイの前に、ライバル製薬会社のMR・田所(瀬戸康史)が出現!
この強敵を前に、成績優秀で負け知らずだったメイはピンチに! 田所はメイの警戒心をよそに爽やかにメイに急接近!
田所によってメイは仕事も恋も振り回されていく――! ?

Gyaoで一挙無料配信だったので、
深刻な映画が続いてきつかったので、
思わず飛びついてしまった。
実は私は南朋さんのファン、
というか麿赤児一家のファンなのでw。

いやー、楽しかった。
ドタバタのラブコメディーもよかったけど、
主人公が社会人として学んでいくさまも、
なんか感じるとことがあってよかった。
仕事をするということが、
主人公とナギサさんの間で共通しているようで、
ナギサさんの経験から相反するところもあって、
そんな価値観の違いのすり合わせも面白かった。

いい歳をしてこんなラブコメドラマ、
バカみたいだなと思われるかもしれないけれど、
現実がかなり厳しい状況にあると実感しているので、
少しは現実逃避したくなるのだよ。

家政婦っていうのもいい仕事だけど、
料理は得意でも掃除は不得意、
良い加減というかアバウトな性格だから、
ナギサさんみたいな家政婦にはなれないだろうなぁ。
でもちょっと興味を持った仕事。
定年後の仕事として雇ってもらえるならそれもいいかも。

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「アイアンマン3」 [ストリーミング]


アイアンマン3 4K UHD [4K ULTRA HD+ブルーレイ] [Blu-ray]

アイアンマン3 4K UHD [4K ULTRA HD+ブルーレイ] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2019/09/04
  • メディア: Blu-ray


<ストーリー>
トニー・スタークは見えざる敵の脅威におびえ、一心不乱に新型パワードスーツの開発をしていた。心身ともに追いつめられたトニーはある日、世界転覆を企む謎の男マンダリンから攻撃を受け、全てを奪われてしまうが…。
アイアンマン“最後"にして“最大"の戦いが始まる――。

マーベルシリーズの中でも、
殊更「アイアンマン」シリーズを好むのは、
ロバート・ダウニー・Jrが昔から好きだったからだけじゃなく、
大人の鑑賞に堪えうる脚本の素晴らしさと、
機に聴いた台詞たちにあるのだと思う。
今回は最低の人間だった過去から、
自らがしたことから報復を受ける。
そのことにけりをつけるための自らの戦い。
果たして「見えざる的」は彼を襲い、
かつてない苦闘を強いられ、
手足をもがれるように一つ一つを奪い去られ、
最後に最も救いたかったものまでも。

とはいえ、
そこはマーベルシリーズ。
もちろん充分に堪能させてくれて、
他作品とのリンクも楽しめて、
最後の最後まで面白さを追求する。

賛否両論いろいろあるけれど、
やはりディズニーの力は大きくて、
これをやるにはそれなりの資本も必要だし、
シリーズとして抱える覚悟も必要なら、
俳優たちがそれに対峙する気持ちも必要。
なのでこれはこれで良し。

個人的には非常に面白かったし、
この世界を確立するために、
この在り方は必要だったと納得した。

さて、家にある作品群にも手をつけようか。

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「アイアンマン2」 [ストリーミング]


アイアンマン2 [Blu-ray]

アイアンマン2 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2011/10/21
  • メディア: Blu-ray



【あらすじ】
自らアイアンマンであることを告白した大企業スターク・インダストリーのCEO、トニー·スターク。そんな彼に新たな危機が迫っていた。米国政府がパワードスーツの没収を命令。彼に恨みを抱く謎の男“ウィップラッシュ”の登場。さらに、胸に埋め込んだエネルギー源“リアクター”の影響でトニーの体は蝕まれていき...

アベンジャーズ放送に合わせたマーベルシリーズ一挙放送でも、
WOWOWはアイアンマン2と3は放送してくれず。
で、未見だったために、
Disney+に加入しているうちに観てしまおうと。
アベンジャーズを最後まで観ておいていまさらw。

トニー・スタークの魅力は、
完全無欠のヒーローではにどころか、
武器商人だったり性格的情緒的に問題を抱えているところで、
今回も自分の身体のききに荒れるし、
いろんな恨みを買った相手を挑発するし、
まぁ人間的に面白いこと。
この人が最後にはああなるわけで。

で、本作。
いきなりミッキー・ロークの登場でビックリ。
サム・ロックウェルもいて役者は揃った。
そして一番好きなキャラクター、ブラック・ウィドウの活躍。

これ以外の作品は保存してあるので、
ここからまたマーベルシリーズにはまるのもあり。

観たい映画が一杯でそんな閑があるかは不明w。

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「蛇イチゴ」 [ストリーミング]


蛇イチゴ [Blu-ray]

蛇イチゴ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バンダイナムコアーツ
  • 発売日: 2021/01/27
  • メディア: Blu-ray


◎内容◎
慎ましくも平穏な日々を送っていた明智一家。幼い頃から正義感の強いしっかり者の長女、優しい母に、働き盛りの父、呆けてはいるが明るく楽しい祖父。
そんなどこにでもいる平凡な家族のもとに、ある日突然、勘当され行方不明になっていた放蕩息子が10年ぶりに舞い戻ってきた。
そして時を同じくして、明智家の平穏さの裏に隠されていた嘘と欺瞞が、小さな亀裂から次々と噴出しはじめ・・・。
ついには、彼らを支えていた“正"と“悪"の価値観までもが、ものの見事に逆転していく。

なんというか、
一見平凡そうに見える家庭から、
「死」を契機にあふれ出す毒、毒。毒。
勘当されていた長男がたまたま居合わせた実家の葬式で、
彼がその一家に戻ったのと同時に、
封印されていたものがあふれ出す。
彼が毒だからなのか?
彼がトリガーだったからなのか?

このありふれた一家に起こる、
ちょっと意地の悪い視点の不幸、
是枝監督の得意技。
さすが弟子の西川美和監督だけある。
そこに潜んだ毒を引き出して、
思考停止に陥って壊れていく家族を、
まるで普通のことのように自然に描く。
気がついている娘だけが異端者のように、
楽な方へあり得ない都合の良い方へ、
水が上から下へ流れるように崩れていく家族を描く。

こう言う話を見るにつれ、
「日本の家族を描いた日本映画は良いな」と思ってしまう。
日本特有の歪みを押し込めた家族。
それをユーモアとブラックな視点で、
サラリと描いた初監督の手腕、
大したものだなぁと今更ながらに思い知る。

20年前の作品だけど、
普遍の傑作だと思う。

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「ワンダヴィジョン」 [ストリーミング]


マーベル・スタジオのオリジナルドラマシリーズ、ついに最終話が配信開始!
かつてアベンジャーズとして壮絶な闘いを繰り広げていたワンダとヴィジョンは、とある郊外の街でようやく幸せな結婚生活を手にいれる。しかし、不審な行動を見せ始める住民たち、外部からの侵入者、二人は徐々に”すべてが見かけ通りでない”ことに気づき…。

Disney+に入っていて良かった、
そう思えるくらいに面白かった。

予想もしない設定から展開して、
「あれ?ワンダって不幸な女性だったよね。 
 あれ?ヴィジョンって死んだよね。」
わかっているのに、
スピンオフだからというフィルターもかかって、
面白さに引き込まれてあっと言う間に最終回。

アベンジャーズでワンダが気になった人は、
絶対に観るべきだし、
彼女のさらなる哀しみを感じるべき。

自分が意外とアベンジャーズ好きで、
それもど真ん中のキャラクターじゃなくて、
どちらかと言えば脇にいたワンダへの思い入れ、
これが強かったことにビックリ。

いやー、絶対観て欲しいわぁ。
Disney+のコンテンツを考えたらサブスク料金惜しくない。

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「メタモルフォーゼ/変身」 [ストリーミング]


メタモルフォーゼ/変身 [DVD]

メタモルフォーゼ/変身 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2021/02/03
  • メディア: DVD


【あらすじ】
その悪意は擬態する。
「昨晩 お父さんが2人いたの―」。どこにでもいる平凡な一家は、新居に引っ越してから奇妙な現象に襲われていた。時折感じる不気味な気配、突然別人の様に豹変する家族、そして隣人が行っていたおぞましい儀式。
尋常ではない異常の連続に、一家の精神状態は極限に達していた。一連の怪異に人外の存在を感じ取った父親は、神父として働いていた弟のジュンスに助けを求める。
ジュンスは過去に悪魔に取り憑かれた少女を救えなかった事を強く悔やみ、自信を喪失していたことから一度は協力を拒むが、やがて姪らの助けを求める悲痛な声を聴いて自らを奮い立たせ、一家を襲う絶対的な“悪"と対峙するのであった。

韓国のちょっと小柄なピエール瀧ことペ・ソンウ見たさに、
軽い気持ちで何も調べず見ちゃったら、
あーらビックリのエクソシスト悪魔払いものだったw。
基本的に余り好みじゃないホラーw。

と言うことで、
意外性というものは特になく、
予定調和なホラー展開。
最後もBGMでどうなるか最後が読めちゃうし。

基本的にエクソシスト悪魔払いものって、
このパターンから抜けられないんだろうし、
こうなって然るべきなんだろうな。

と言うことで、
軽い気分転換だった感じでw。

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「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」 [ストリーミング]


ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス[Blu-ray]

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス[Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2020/09/16
  • メディア: Blu-ray


[内容解説]
≪世界で最も有名な図書館―ニューヨーク公共図書館(NYPL)とは?≫
ニューヨーク公共図書館とは、マンハッタン、五番街と42丁目との交差点に位置し、荘厳なボザール
様式建築によって観光名所としても名高い本館<スティーブン・A・シュワルツマン・ビル>と、研
究目的のために公開されている4つの研究図書館、そして地域に密着した88の分館を合わせた92
の図書館のネットワークである。1911年に本館が竣工し、アンドリュー・カーネギーらの寄付により
、各所に分館を増設してきた。人文科学、社会科学、及び、美術において世界有数の蔵書を誇り、総
計6,000万点ものコレクションが所蔵されている。利用は原則として無料であり、ニューヨーク市に
在住あるいは勤務している者であれば誰でも会員になることができる。 名称に「パブリック(publi
c)」と入っているが、独立法人であり、財政的基盤は市の出資と民間の寄付によって成り立ってい
る。ここでいうパブリックとは「公立」という意味ではなく、「公共」(一般公衆に対して開かれた
)という意味に当たる。

シネコヤでずっと上映していたのだが、
3時間半という長丁場と、
上映時間の調整が付かなくて、
やむなくストリーミングで観ることに。

昨年「パブリック 図書館の奇跡」を観たときから、
日本とは図書館の役割が違うことは感じていた。

「パブリック 図書館の奇跡」[Blu-ray]

「パブリック 図書館の奇跡」[Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2021/01/20
  • メディア: Blu-ray


ただこのときは映画のストーリーとキャラクターにのまれて、
そこを余り深く追求しないまま、
自分の思考を止めてしまっていた。

今回この3時間半に及ぶドキュメンタリーを見て、
図書館がやっていることとや、
その舞台裏を淡々と映している(もちろん編集等あることは百も承知)、
そこにインタビューもいなければ妙なオピニオンも入らない、
それなのに3時間半全く退屈もせずに、
ずっと見続けて考え続けてしまったのは、
文字通り「公共」の意味が全く日本と違うからだろう。
「公立」ではなく「公共」であることの意味は、
老若男女、人種を問わず、
総ての市民の居場所になれること、
貴重な資料や書物を保持して守っていく責任、
多くの市民の知識やスキルのレベルアップに手を尽くすこと、
それはもう膨大でとんでもなく幅広い分野にわたり、
かつ時代の変化に即して「公共」も変わることを要求され、
与えられる予算や寄付をどう使うことが「公共」の役に立つのか、
「文化」と言っても良いほど広い視野で、
市民を支えて導いて一緒に発展していくことなのだ。
これはものすごくショックだった。
因みに地元の図書館を調べてみたが、
これほど幅広い催し物や教育の場は、
残念ながら用意されていなかった。
日本における図書館とは、
まさしく「蔵書の置き場」でしかなかった。
このことは日本の「公共性」の低さにも反映されている。
このレベルで蔵書を持つ意味を持つのは国会図書館くらいで、
残りは「市民の無料蔵書置き場」になっている。
残念ながら今の自治体レベルでは、
或いは過去の歴史からしても、
この枠から出ることは難しい。
ただでさえ近年はTSUTAYAに図書館業務を委託する自治体があとを絶たない。
館長が会議の中で口にする言葉、
「ベストセラーは良い。 
 無料でなくても手に入れる機会はある。
 しかし研究書などは10年後必要とされたとき、 
 我々が蔵書しておくことに意味がある。」
これこそが「公共」であり「公共図書館」の役割なのだ。

「パブリック 図書館の奇跡」を見た時に、
主人公たちが取る行動の意味が理解しきれないこともあった。
しかし今ならわかる。
彼らがホームレスたちと一緒に戦ったことは、
彼らが働く図書館の「公共性」に関わること、
たんなる「蔵書の置き場」ではなく、
「公共図書館」としての役割を果たすために、
どうしても必要なことだったのだ。

「素晴らしい」と感動しながらも、
その一方でどうしても感じざるを得なかったのは、
日本という国の文化への理解や投資のレベルの低さだ。
それと共に「自助、共助、公助」の言葉の通り、
公的な機関でさえも、
「公共」部分が一番後回しになっている気がするのだ。
便利な時代になったのでいつでも本は買える。
Amazonから1日で届くことも革命だったが、
今や電子書籍なら読みたいと思ったその時に読める。
では公共サービスはいかがなものか。
昨年の一律給付金の件でもおわかりの通り、
無駄な時間と作業で遅れに遅れた。
国は給付を決定してあとは自治体に丸投げ。
その自治体はどうかと言えば、
近年正規の公務員はどんどん少なくなり、
有期契約職員が増える一方である。
ただでさえ手一杯のところに国から降ってくる仕事。
そりゃ「即時」と言われても無理な話。
あれほどマイナンバーに抵抗してきた人でさえ、
「マイナンバーがあるんだから簡単だろう」と言い出す始末。
しかし従来の自治体システムとマイナンバーシステムは統合されていない。
ましてや個人個人の口座など登録はない。
「これを機にマイナンバーカードを」と呼びかけても、
窓口が大混雑大混乱するだけ。
この国の「公」の場所は、
「公共性」が著しくかけていると思わざるを得ない。

もちろん一つの図書館の話と、
日本のシステムを天秤にかけるのは間違えているかも知れない。
しかし「公共」と言うことの意識
これが決定的に違うことが、
こんなにも文化的人道的な差を生むものなのか、
実に深く考えさせられることばかりである。

刺激的なドキュメンタリーを期待して、
ワクワクドキドキする内容を期待している人は観ない方が良いかも知れない。
しかしものすごく考えさせられるし、
日本という国に対する絶望を感じさせられる。
「公共」とはなんなのか。
今一度考えなければならない。
この国家の数多いる公務員、
総ての人に観て欲しい作品である。

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