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「優作について私が知っている二、三の事柄」 [WOWOW]




●優作について私が知っている二、三の事柄
【解説】
CLUB DEJA-VU ONE NIGHT SHOWの開催から29年。あれから長い年月が過ぎたが、松田優作の人気はいまだ衰えず、傑出した俳優として、今や伝説の域に達している。しかし、伝説化されるにつれ、彼の実像はおぼろになってゆく。
そこで、本ドキュメンタリーでは、水谷豊、桃井かおりをはじめ、CLUB DEJA-VU ONE NIGHT SHOWを表で、陰で支えた者たちに新規にインタビューを敢行。松田優作の盟友・崔洋一の導きによって、生の言葉がつむぎ出され、素顔の松田の膨大な証言が寄せられた。けれど、インタビューを重ねるほどに、松田優作は一筋縄ではいかない様々な「顔」を見せ始める。いったい彼は「狂気をはらんだ男」なのか「求道者」なのか「一緒にいる時はいつも笑っていた人」なのか……
松田優作のスチール写真や、松田本人の歌唱も多数収録! 松田優作という存在自体に鋭く迫る、渾身のドキュメンタリー、堂々完成!
【出演者】
水谷豊 桃井かおり 原田喧太 高垣健 渡邉俊夫 奈良敏博 崔洋一(インタビュアー)

ファンなら誰でも持っているのかもしれないが、
熱狂的なファンではなかったし、
その凄さはわかっていても、
なかなか近寄りがたいというか、
その張り詰めたような存在そのものが怖かった。
今回生誕75周年ということで、
WOWOWで特集放送があって、
この1本にたどり着いた。
で、実はちょっとマイルド風味の、
息子松田龍平は大好きな俳優だったりする。

とにかく水谷豊さんの話が刺さった。
二人にしかわからない、
理解し得ない世界。
そんな関係が伝わってきて震えた。
残念ながらこのインタビューの時には、
原田芳雄さんは故人だったが、
息子さんが微に入り細に入り、
覚えていることを語ってくれる。
そして彼らを繋ぐ存在として、
桃井かおりさんがまた微妙な空気やココロモチを語る。
そのオトナの関係が心地良くて、
ちょっと子どもっぽい男どもを見守る、
桃井さんの視線の優しさを感じられてとても良い気分。

そんな素顔を語られると、
少し松田優作に距離が縮まった気がした。

私はまさしく世代がどんぴしゃり。
デビューから早逝するまで、
同時代を生きたし観てきた。
彼が自分の命よりも、
オーディションで得た「ブラック・レイン」への出演を優先したこと、
そのことも充分知っていた。
だから冒頭で桃井さんが、
「優作が死んだって言ったら自殺だと思うじゃない?」
頷きながらもそうでない現実も知っている。

ただその佇まいを単純に好きと言えれば、
その方がどれだけ楽か。
歌詞の話などを聞いていて、
彼のバックグラウンドを考えると、
ちょっと複雑な思いも抱いたりもする。

そうやって少しずつ、
ステンドグラスやパッチワークのように、
松田優作の顔の一部をつなぎ合わせる。

生誕75周年にして、
私がやってみたいことになった。

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