SSブログ

「食べたい女と作りたい女」3&4 [マンガ]


作りたい女と食べたい女 3 (it COMICS)

作りたい女と食べたい女 3 (it COMICS)

  • 作者: ゆざき さかおみ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2022/11/15
  • メディア: Kindle版



作りたい女と食べたい女 4 (it COMICS)

作りたい女と食べたい女 4 (it COMICS)

  • 作者: ゆざき さかおみ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2023/06/15
  • メディア: Kindle版



そういえばそろそろ新刊じゃないのか? 
覗いてみれば4巻が出ている。
金曜日を待ってebookで購入しようとして、
「あれ?3巻はebookじゃないところで買ったんだっけ?」
そんなことを思いながら4巻購入。
読み始めて「?」。
「なんか話が分からなくなっている」
「っていうか、この登場人物知らない!」

私、もしかして3巻買い忘れている?
いや、でも新刊を購入した覚えはある。

そこからhonto、SONY Readers、BOOK LIVE!などを探したけれど、
肝心の3巻は全く見当たらない。
「まさか」と思って最後に開いたkobo、
ここでやっと発見! 
そして読み始めて分かった。

「買って安心して読んでいない」w。

ということで、
思いがけず3巻と4巻を一気読み。
ここでいろんなことに気が付いたり、
自分の身にかかわることを知ったり、
ものすごく勉強になる充実した内容。

まずは「家族」の問題。
ありがちな「血のつながった家族」が居心地のいい、
自分にとって大事な場所とは限らない。
自分を受け入れてくれて居心地のいい家族、
その家族を作ることも可能だし、
それもあっていいことだという話。
そして「恋愛感情と性的感情は同じじゃない」、
「アロマンティック」という存在。
「アセクシュアル」の存在は知っていたけれど、
こっちは不勉強で全然知らなかった。

実はこれがどちらも自分にものすごく関係があって、
春日さんの父親の電話の内容も、
どこかで聞いた覚えがあるような気がして、
いろんな意味で衝撃すぎる内容が並んだ。

世間的には「ソフトレズ」みたいな感じ、
そんな印象でドラマも作られていたし、
何となくそれで進むのかと思ったら、
予想以上にこの漫画、
深くまで踏み込んでいくみたいな展開。

これはもう目が離せない。
「銀の匙」「大奥」「メタモルフォーゼの縁側」が終わってしまって、
「3月のライオン」くらいしかこの先ないかなと思っていたら、
宇垣総裁のおかげでこの漫画に出会えた。

ホント、導入部からの印象だけじゃわからない、
より深くえぐっていく内容になっているので、
もしかしたら好き嫌いがあるかもしれないけれど、
今のこの多様性の世の中だからこそ、
やはり軽くても不覚でもかかわっておいた方がいい話。
それに料理がめちゃくちゃおいしそうだしねw。 

コメント(0) 

「三拍子の娘」 [マンガ]


三拍子の娘 (1)

三拍子の娘 (1)

  • 作者: 町田メロメ
  • 出版社/メーカー: eBookJapan Plus
  • 発売日: 2021/04/09
  • メディア: Kindle版



三拍子の娘 (2)

三拍子の娘 (2)

  • 作者: 町田メロメ
  • 出版社/メーカー: eBookJapan Plus
  • 発売日: 2022/07/22
  • メディア: Kindle版



私たち、親に捨てられちゃったけど、結構楽しく暮らしてます。流されやすい長女・すみ、自由気ままな次女・とら、優等生だが謎多き三女・ふじの折原三姉妹。決して完璧な3人じゃないけど、私たちには私たちのリズムがある。ワルツのように軽やかに、日々の暮らしはこんなにも、強く、楽しく、愛おしい。

宇垣総裁おすすめの一作。

多分年代が違うので宇垣総裁は気づかないだろうけど、
この3人娘の構成、
「やっぱり猫が好き」にとてもよく似ている。
しっかり者で心配性の長女、
マイペースでちょっと変わっている次女、
飄々としているけれどちょっと感じやすいところもある三女。
まぁ「海街diary」でも似たような感じで、
3人娘の役割というか、
背負わされた宿命とか責任とか、
位置づけとかいろんなものでそうなるものなのか。
でも何となく「やっぱり猫が好き」が一番近い。

父親が宣言して失踪。
残された娘たちは一度バラバラになるけれど、
長女の努力で3人そろって暮らせるようになる。

日々の出来事はなんてことはない。
でもなんてことはないそんな日々が愛おしい。
互いの違いを受け入れながら、
互いの違いに腐心しながら、
互いの存在を尊重して生きる3姉妹。
あるようでなかったこういう漫画。
モノクロではなく、
紅色を使った絵柄もなかなかに個性的。
色が溢れているのと違って、
紅色の使い方を気に留めてみたりする。
そんな楽しみ方もできるし、
ただただ個性あふれる姉妹たちを楽しむこともできる。

父親も悪い人ではないし、
実はその気持ちはとても理解できたりもする。
だけど姉妹たちの思いも理解できる。
深刻な設定の割には深刻な話は少なくて、
かなりくすっと笑いながら読めるのに、
心のどこかに何かが引っ掛かりながら読み進む。
この複雑な思い、
もうすでに癖になっていて感情移入。

今ならいろんな電子書籍サイトで、
お試し版が無料で出ているので、
ぜひとも試しに読んでみて。


コメント(0) 

「作りたい女と食べたい女」 [マンガ]


作りたい女と食べたい女 1 (it COMICS)

作りたい女と食べたい女 1 (it COMICS)

  • 作者: ゆざき さかおみ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/06/15
  • メディア: Kindle版



作りたい女と食べたい女 2 (it COMICS)

作りたい女と食べたい女 2 (it COMICS)

  • 作者: ゆざき さかおみ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/12/15
  • メディア: Kindle版


ひとり暮らしで少食だし、作ったところで食べきれない。
でも、本当はもっと作りたい! 
料理が大好きな野本さんは、そんな想いと職場のストレスから、
うっかり一人で食べきれないほどご飯を作ってしまう。
そんなとき、お隣のお隣に住む春日さんのことを思い出して
勇気を出して夕食に誘ってみると…?

宇垣総裁おすすめの作品。 
 
実は私は春日さん。
身体もでかくて太っているし食べたい女。
だけど料理をするのはさらに好き。
野本さんでもあるのだ。
だから紹介文を読んで即刻飛びついてしまった。

「きのう何食べた?」同様、
料理漫画というのは実に罪作り。
新しい料理、アイデアをそこから得ると、
すぐに作ってみたくなるのだ。
「きのう何食べた?」はどちらかというと、
小鉢や小皿がある由緒正しき食卓の姿。
一人だとそこまでの品数はなかなか作らない。
だけどこちらの料理はとにかくボリューム。
繊細というよりは豪快で美味しそう。
大雑把とかではなくて、
とにかく豪快である意味見た目のボリュームで圧倒する。
それがまたおいしそうだからたまらない。
そしてそれが現実離れしていない料理だから良いのだ。
「きのう何食べた」もそうなのだけど、
お高い材料や贅沢で手の込んだ料理などではなく、
日常食べる料理の範疇でちょっと凝っていたり、
ちょっとだけ豪華にしてみたり、
いや、何よりてんこ盛りでボリュームたっぷりって豪華だし。

2巻で野本さんが自分のジェンダーを意識しちゃう。
そこもまたちょっと今どき。
そこからどうなるのかはこれからの楽しみ。
春日さんは案外ノーマルな気もするけれど、
性愛を超えた関係として、
「作りたい女と食べたい女」という関係性もありではないか。
食事を介して成立する関係性。
春日さんの人生が少しずつ見えてきたところで、
さらに面白くなってきた。

ところで。

神奈川県民としては、
二人が一緒に買い出しに行く先になじみがありすぎてw。 
「藤沢のファーマーズマーケット」ってわいわい市だしw。
本当に感動するよね、あそこ。
超長いレシートでもびっくりする価格だしw。 
 
ああ、私も春日さんのようなパートナーが欲しいw。 

コメント(0) 

「ぼくのお父さん」 [マンガ]


ぼくのお父さん

ぼくのお父さん

  • 作者: 矢部 太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2021/06/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



内容紹介(出版社より)
『大家さんと僕』の著者が実の父を描く、ほのぼの感動の家族漫画。ぼくの「お父さん」は絵本作家。ずっと家にいて、一緒に遊び絵を描く。いつでもなんでも、絵に描く。夕飯に出た旬のタケノコを食べずに、絵に描く。そしておかずは冷めていく……。ふつうじゃなくて、ふしぎでちょっと恥ずかしい。ただの変わり者? それともーー。なつかしい「あの頃」を思い出す、全編オールカラーの最新作!

いつもながら乗り遅れw。 
読みたくなったのは砂鉄さんのプロファイリング。
いくらご近所さんとはいえ、
マンガから実家をほぼ特定したことに興味を惹かれ、
どんな内容がかかれているのかなーって。
そしてインタビューで語られるお父さんや、
家の話に心惹かれて。

予想通りというか、
予想以上というか、
やはりお父さんは世間一般で言うところの、
「普通のお父さん」とはちょっと違っている。
もちろんサラリーマンじゃない時点で違うのだけど、
絵本作家という職業柄なのか、
あるいはお父さんの感性が絵本作家を選ばせたのか、
ちょっとどころかかなり素敵な人だ。
こういう感性のお父さんを否定する部分もありながら、
その感性のもとで育ったからこそ、
矢部太郎という人もまた、
ちょっと人とは違う感性で生きているのだとわかる。
芸人として散々いじられてきたことも、
相方のいろいろなことにもまっすぐ向き合うことも、
今までたくさん見てきた芸人矢部太郎の基礎は、
このお父さんの純粋でまっすぐな感性と価値観に裏打ちされている。
そんな矢部太郎という人間だからこそ、
大家さんのようなまれな女性と出会うことができ、
そこで素敵な時間を過ごすこともできたのだ。

子供の頃って誰でもそうだと思うけれど、
自分の親が「特別」なのが恥ずかしかったりする。
「みんなと同じ」に安心したり、
その方がいいっていう不思議な刷り込みと思い入れがある。
でも大人になって初めてわかる、
「特別」なお父さんやお母さんの素敵さ。
「普通」じゃなかった親を持つことの影響力。
振り返れば素敵な出来事、思い出。

違う意味で「特別」な親を持った私は、
こんなお父さんがうらやましい。

でもけっこう周りは大変だよねw。

コメント(0) 

「あしあと ちばてつや追想短編集」 [マンガ]


あしあと ちばてつや追想短編集 (ビッグコミックススペシャル)

あしあと ちばてつや追想短編集 (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者: ちばてつや
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2021/04/30
  • メディア: Kindle版


ちばてつや、23年振りの最新短編集!!
巨匠・ちばてつやの23年振りとなる短編集! 
戦後の満州引き揚げを描いた「家路 1945-2003」、漫画家デビュー時に謎の体調不良にさいなまれた日々を描く「赤い虫」、トキワ荘グループとの交流のきっかけとなった”事件”を描く「トモガキ」、そして最新発表作となる、名作『のたり松太郎』誕生前夜を描いた「グレてつ」といった、2000年以降に描かれた氏の貴重な自伝的読み切り作品を、掲載当時のカラーを含め完全収録!

「たまむすび」のワンコーナー。
ブルボン小林の「マンガ、ときどき本」で今月紹介された短編集。

私はちばてつやを愛読したことはない。
もちろん巨匠であるし、
何作もスゴイ作品を生み出している。
しかし触れる機会がなかった。
アニメの方は「ハリスの旋風」「あしたのジョー」など、
子供のころは観ていたのだが。
しかし今回ブルボンさんの紹介が素晴らしくて、
と言うかこのコーナー、
ついつい毎月気になってしまうことが多くて、
先月はブルボンさんの新刊まで買ってしまったわけで。

何にそんなに惹かれたかと言えば、
満州からの引き上げの話。
散々母から聞かされた引き上げの話は、
今も知りたい歴史の一つ。
そして原稿を落としそうになった時、
(正直言ってものすごい理由だ)
トキワ荘の人たちがみんなで原稿を仕上げた話。
そのどちらもが興味を惹いた。
「来る途中読みながら来たんだけど、 
 電車の中でうるっと来ちゃって。」
ブルボンさんがそう言うのだからそりゃ読みたくもなる。

喰わず嫌いとは恐ろしいもので、
今まで印刷物で触れてこなかったちばてつや氏の絵柄、
もう開いた瞬間から引き込まれた。
この絵柄の持つ温かさとマンガとリアルさの融合、
その素晴らしさに想像以上に入り込んでしまう。
満州からの引き上げについては、
子供の目から見た状況ではあるが、
それでも子供はしっかりと見ていたのだ。
その表現は劇画のように陰惨ではないが、
充分過ぎるほど当時の厳しさが伝わる。
そして引き揚げ船での話は母親の話とピッタリ重なった。
浅草の「まんしゅう母子地蔵」については初めて知った。
コロナ禍がおさまったら、
一度是非行ってみようと思った。

「赤い虫」「トモガキ」は、
あの時代だからこその物語であり、
マンガという文化がうなぎ登りに人気を得て、
週刊誌の創刊や若いマンガ家たちの台頭、
その輝かしい時代の物語。
「赤い虫」はその輝かしさの裏で、
著者が如何に大変な思いをしていたのか、
それがどんなことになっていたのか。
「トモガキ」は若いマンガ家たちが、
面識もない著者のために必死になり、
1本のマンガを仕上げることで、
彼らが後に交友を深めていく物語。

どれも「追想」ではあるが、
どれも今の時代でも心に染みいり、
何ともいえない感慨を呼び起こす。

ブルボンさんに紹介されなければ、
決して手にしなかったと思うので感謝である。
この素晴らしい追想を語り継ぐ。
それはこの傑作を読むことで可能であるし、
これからも読み継がれていくことだろう。
遠い話になりつつある時代ではあるが、
忘れてはいけない時代のことを、
私たちは引き継いで語る責任がある。

コメント(0) 

「監督不行届」 [マンガ]


監督不行届 (FEEL COMICS)

監督不行届 (FEEL COMICS)

  • 作者: 安野モヨコ
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2013/01/18
  • メディア: Kindle版


出版社からのコメント
人気漫画家・安野モヨコ(働きマン! )と夫・庵野秀明のデイープな日常が赤裸々につづられた爆笑異色作。著者初のエッセイコミックでもあり、夫=カントクくん(「新世紀エヴァンゲリオン」「キューティーハニー」等の監督)のオタクぶりが初めて明かされた作品でもあります。アニメ界と漫画界のビッグカップルが、こんなにもおかしく愛おしいオタク生活を送っているなんて! 世界中に生息するオタク君はもちろん、オタ嫁(オタク夫を持つ妻)も共感すること間違いなしの衝撃作。巻末には、よりコアに楽しむために‥オタク垂涎! ?のオタク用語解説2万字を収録、ファン待望のエッセイコミックです。

庵野監督の「プロフェッショナル」を見て、
妻が安野モヨコであることを初めて知るw。
そしてこの漫画の存在を知る。
即電子書籍で購入。

面白すぎ。
徐々に監督に寄っていくモヨコさん、
気持ちわかるしw。
 
古いマンガだから今更なにを。 
なので一言。

巻末インタビューの庵野監督の写真、
スペシウム光線の姿勢を見て!
本当に背中の角度も何もかもまんまで大爆笑したから!

コメント(0) 

「アドルフに告ぐ」 [マンガ]


アドルフに告ぐ 1

アドルフに告ぐ 1

  • 作者: 手塚治虫
  • 出版社/メーカー: 手塚プロダクション
  • 発売日: 2014/04/25
  • メディア: Kindle版



アドルフに告ぐ 2

アドルフに告ぐ 2

  • 作者: 手塚治虫
  • 出版社/メーカー: 手塚プロダクション
  • 発売日: 2014/04/25
  • メディア: Kindle版



アドルフに告ぐ 3

アドルフに告ぐ 3

  • 作者: 手塚治虫
  • 出版社/メーカー: 手塚プロダクション
  • 発売日: 2014/04/25
  • メディア: Kindle版



アドルフに告ぐ 4

アドルフに告ぐ 4

  • 作者: 手塚治虫
  • 出版社/メーカー: 手塚プロダクション
  • 発売日: 2014/04/25
  • メディア: Kindle版



アドルフに告ぐ 5

アドルフに告ぐ 5

  • 作者: 手塚治虫
  • 出版社/メーカー: 手塚プロダクション
  • 発売日: 2014/04/25
  • メディア: Kindle版



言わずと知れた手塚治虫の名作。
いや、もしかすると評価は様々だったかも。
かつて途中まで読んだけれど、
なぜか途中で投げてしまった。
それがなぜか急に読みたくなって、
電子でオトナ買い。
とはいえたかが知れた価格ではあるけれど。

日本とドイツを股にかけ、
「アドルフ」という名を持つ、
ユダヤ人と日本とドイツのハーフと、
ドイツ人の顔をしてユダヤ人のルーツを持つ3人。
これが運命に翻弄されながら、
因縁と奇妙な縁で結ばれて行く。

晩年の作品なので、
途中休載を挟んだ関係で、
最後はかなりいろいろと端折っているらしい。
確かに最後の展開がいきなりで、
かなり急いで話が終わっていく。
そこに違和感は覚えたが、
やはりそこは手塚治虫、
深いし重いし人間の運命の不可思議なところを、
描いているからやはり面白い。

もはやクラシックの名作であり、
多くの人が読んでいる作品。
どこがどうなんて、
自分が語れる余地などない。
ただ一つだけ。
アドルフ・カウフマン。
彼は日独のハーフだったこともあり、
かつユダヤ人に関わったこともあって、
一番運命に翻弄されたのだと思う。
だから彼が最後に見つけた生きる場所で、
家庭を持ったことは良かったと思った。
ただそれが彼の最後の行動へとつながり、
そして数奇な運命に終止符が打たれる。
ドイツ、日本、ユダヤの血にまみれ、
時代とは言え余りに過酷な人生。
その彼に安住の地がなかったことが哀しい。
それが彼の選んだ道とは言え。

歳を取ったからか、
最近手塚治虫の作品を無性に読みたくなる。
余りにも膨大な作品数だけに、
何を読むべきか、
じっくり考えながら読もうと思う。


コメント(0) 

「水は海に向かって流れる」 [マンガ]


水は海に向かって流れる(1) (週刊少年マガジンコミックス)

水は海に向かって流れる(1) (週刊少年マガジンコミックス)

  • 作者: 田島列島
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/05/09
  • メディア: Kindle版



水は海に向かって流れる(2) (KCデラックス)

水は海に向かって流れる(2) (KCデラックス)

  • 作者: 田島 列島
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/12/09
  • メディア: コミック



今年のマンガ大賞ノミネート作品。
ダ・ヴィンチの関口編集長イチオシ作品。 
 
こういうこじれた人間関係と、
共同生活の物語が好きで、
興味をそそられたのと、
絵が割合好きなタイプだったので。

こうも複雑な関係ってすごいなぁと思うのと同時に、
これを考えたことが先ずスゴイ。
そして片方は一応年齢は大人の女、
片方は高校生の男の子。
なんだけど精神年齢はどうかと言えば、
必ずしもその通りではないし、
男女の違いもあるのでこれまた複雑。
過去は変えられないし、
それでもやっぱり今でも縛られる。
2巻まででこれだけの濃さで話が進むと、
こりゃこれから先もキニナルというものだし、
関口編集長が推すのも納得の面白さ。
他人同士の集まりの中で、
曰く付きの二人の関係がどうなって行くのか、
周りも知っていてどうしていくのか、
実に良いのだ。

「銀の匙」も終わってしまったし、
「進撃の巨人」「ゴールデンカムイ」も飽きたので、
「メタモルフォーゼの縁側」とこれがこれからの柱かな。

コメント(0) 

「海街diary 9 行ってくる」 [マンガ]


海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)

海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)

  • 作者: 吉田 秋生
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/12/10
  • メディア: コミック


内容紹介
大ヒット☆鎌倉での四姉妹物語…ついに完結
春夏秋冬、いつもこの街にいた。いつも一緒だった。
そして―――すず、旅立ちの時…
浜田は千佳(ちか)と入籍し、エベレスト登山のために旅立った。
幸(さち)と佳乃(よしの)もそれぞれの恋が進展。
すずは中学生最後の夏が終わろうとしていることを実感する…。
すずが中学1年の夏、蝉時雨のやむ頃から始まった家族の物語、ついに完結!
すず、そして弟・和樹の“その後”を描いた番外編「通り雨のあとに」も収録。

10年以上付き合ってきた。
その間に私もいろいろあったし、
姉妹にもいろいろあった。
私がこのマンガの虜になったのは、
幸ねぇの「子供に大人の仕事をさせてはいけません」という言葉だった。
私は一人っ子だったこともあり。
20歳の時に母親を亡くしたこともあり。
「大人の仕事」を必然的にになってきた。
そしてこのマンガと出会ったとき、
私はうつ病で自宅療養の真っ最中で、
自分の過去の黒歴史と向かい合っている最中。
だから幸ねぇの言葉がものすごく心に響いた。
「こう言う大人がいなかったことが一番の悲劇だった。」
「この子はしっかりしているから」
それを金科玉条にしてになってきた重荷が、
私の中でどうにもならないものになっていた。

その後も幸ねぇの乳ガン騒動とか、
常にこの10年余り自分とシンクロした出来事に、
励まされたり同調したりしながら、
いよいよ今このときを迎えた。

自分の今の年齢を考えたとき、
旅立つ福田さんの気持ちに思いを馳せる。
そしてこの年齢にして、
支えてくれる人たちの言葉を思う。
旅立つすずの姿と気持ちに、
成長を喜ぶと同時淋しさを覚える。

鎌倉が身近な土地に住んでいて、
雰囲気が良くわかるだけに、
人と人の繋がりや、
風のニオイや海のニオイを感じる。
今の暮らしとは全く無縁な四姉妹の家。
そして1人旅立っていくすずの姿。

四姉妹の日常が、
些細な幸せに気付かせてくれたり、
自覚もしていなかった心の傷を掘り起こされたり、
何でもないことが一番幸せだと思わされたり、
彼女たちとその周囲の人たちには感謝。

漫画が文学を超えることはままある。
でもこう言う作品はそうそうない。

コメント(0) 

「その女、ジルバ」 [マンガ]




内容紹介
高齢BARへ、いらっしゃ~い!!
伝説のママ・ジルバの店 BAR OLD JACK & ROSE―――
終戦直後から夜の世界で生きてきたホステスたちの高齢BAR。
ホステスの平均年齢は70歳以上。人生の酸いも甘いも知り尽くした女たちが最高のおもてなしで、常連客たちを迎える。
そこへ飛び込んだ一人の新人・笛吹 新(うすい・あらた)、40歳。
大手スーパーの倉庫で働く彼女は、
恋人なし、貯金なし、老後の安心なしの崖っぷち人生。
リストラで希望の職場も追われ、
夢も、仕事も、結婚も、あきらめかけた彼女が、
笑い、歌い、踊り、いつの日か忘れていた何かを取り戻していく。
昼と夜、二足のワラジで働くことになった、見習いホステス・“アララ”。
彼女のシングルライフに、どんな変化が訪れるのか!?

アトロク物件w。
宇垣総裁が「これが気になる」とご指摘だったのと、
全5巻完結だったので。

現代高齢女性の逞しさも勉強になるけれど、
この物語にはいろいろなことが盛り込まれている。
まずはジルバの育ったブラジル。
日本人がブラジルに移民するに至った歴史、
そこからどれだけの苦労をして生活をしてきたか、
そして戦争が終わった時に「勝ち組」「負け組」に分かれ、
そこにはどんな思惑と争いがあったのか。
ブラジルを引き上げてきたジルバ家族の悲劇。
ブラジル移民の歴史を知ることができる。
さらに主人公の故郷福島。
東日本大震災で被災した弟夫婦に実家。
その現在と立ち上がろうとする人たちの姿。
そして戦後の日本で女性が生きることの困難さ。
食べていくこと、生きていくことが困難で、
道を選ぶこともできなかった女が、
どんなふうに男たちに翻弄され、
自分の足で建てるようになるのか。
軽い気持ち読み始めて、
5巻なんてあっという間だろうと思っていたら、
読み込むところが多くて、
案外時間がかかってしまった。
もっともその分知識も得られるし、
いろいろな意味で勉強にもなった。

もうとにかく深い。
目から鱗がポロポロ落ちる。
もちろん読むのがつらい話もある。
だけどそれは日本人が知らなければいけない事実と歴史。
それを気軽に読み始めた漫画で教えられるなんて。
最初読み始めたときは、
「絵がちょっと好みじゃないかなー」とか思ったけれど、
そんなことはどうでも良くなる内容。
濃い、深い、重いところは多々あれど、
今を謳歌するホステスさんたちの明るさに救われる。
みんなそれぞれ苦労しているし、
今も苦労しているのに。

高齢社会がやってきた今、
こういう場所も必要なんだろうなぁと思う。
もちろん若い子がいるキャバクラとかは必要だけど、
それ以上に人生の機微を気軽に語ることができて、
違うものを得て帰れる場所が。
デイサービスで折り紙とかカラオケとかやるのもいいけど、
最近は麻雀とかカジノみたいなデイサービスをやっているところもある。
みんな高齢者を馬鹿にしすぎている。
高齢者だって人間だから欲望もあるし感情もある。
高齢者になったからって誰しも穏やかになるわけじゃない。
だからこういう働く場所も必要だし、
こういう場所に行く人がいてもいいのだ。

なんだかものすごく考えさせられる。
これはアトロク物件の中でも一番のおすすめかも。

コメント(0)