「アドルフに告ぐ」 [マンガ]
言わずと知れた手塚治虫の名作。
いや、もしかすると評価は様々だったかも。
かつて途中まで読んだけれど、
なぜか途中で投げてしまった。
それがなぜか急に読みたくなって、
電子でオトナ買い。
とはいえたかが知れた価格ではあるけれど。
日本とドイツを股にかけ、
「アドルフ」という名を持つ、
ユダヤ人と日本とドイツのハーフと、
ドイツ人の顔をしてユダヤ人のルーツを持つ3人。
これが運命に翻弄されながら、
因縁と奇妙な縁で結ばれて行く。
晩年の作品なので、
途中休載を挟んだ関係で、
最後はかなりいろいろと端折っているらしい。
確かに最後の展開がいきなりで、
かなり急いで話が終わっていく。
そこに違和感は覚えたが、
やはりそこは手塚治虫、
深いし重いし人間の運命の不可思議なところを、
描いているからやはり面白い。
もはやクラシックの名作であり、
多くの人が読んでいる作品。
どこがどうなんて、
自分が語れる余地などない。
ただ一つだけ。
アドルフ・カウフマン。
彼は日独のハーフだったこともあり、
かつユダヤ人に関わったこともあって、
一番運命に翻弄されたのだと思う。
だから彼が最後に見つけた生きる場所で、
家庭を持ったことは良かったと思った。
ただそれが彼の最後の行動へとつながり、
そして数奇な運命に終止符が打たれる。
ドイツ、日本、ユダヤの血にまみれ、
時代とは言え余りに過酷な人生。
その彼に安住の地がなかったことが哀しい。
それが彼の選んだ道とは言え。
歳を取ったからか、
最近手塚治虫の作品を無性に読みたくなる。
余りにも膨大な作品数だけに、
何を読むべきか、
じっくり考えながら読もうと思う。
2020-10-08 20:38
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