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「ゴースト・ワールド」 [映画]




ゴーストワールド [Blu-ray]

ゴーストワールド [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: マクザム
  • 発売日: 2023/07/28
  • メディア: Blu-ray


2001年、「ダメに生きる」というキャッチコピーが反響を呼び、当時は新しい“低体温系”青春映画として大ヒットを記録した本作は、70年代のカルト・コミック「フリッツ・ザ・キャット」原作者ロバート・クラムを描いた『クラム』(1994)などドキュメンタリーに定評のあるテリー・ツワイゴフによる初の長編フィクション。原作は、アメリカで「ティーンエイジャーのバイブル」として高い人気を誇ったダニエル・クロウズの同名グラフィック・ノベル。ロサンゼルス郊外で撮影された本作は、どこまでも続くショッピングモールやファーストフード・チェーンの進出によって、次第に個性を失いつつある1990年代のアメリカの名もなき町が舞台。世界に馴染めず、いつも周囲をばかにして過ごしているシニカルな2人のティーンエイジャーが大人になることに直面し、自分の居場所を見つけようとする倦怠感に満ちた数ヶ月を描く。

スカヨハとスティーヴ・ブシェミ。
この二人だけで見ちゃうでしょ。
もうめちゃくちゃダメダメなメガネ女子を演じるソーラ・バーチ、
彼女がもうとにかく素晴らしい。
かっこ悪いんだけどこだわりはあるし、
彼女らしいファッションとか持ち物がもう最高。
一方のスカヨハは現実がわかっていて、
超リアルな生き方をしている。
最初こそくだらないことを一緒にやって、
「サイコー」とか言っていたのに、
現実が迫ってくるからリアルに生きる。
その対比とともに、
いけてない男スティーヴ・ブシェミが、
実はけっこうオタクだけど格好いい。
そこに心が惹かれていくのも納得できるのは、
単に私の趣味なんだけど。
そして来ないバスを待つ爺さん。

そこからの結末からのこのタイトル。

めっちゃ格好いいのだ。
登場する音楽も全部格好いいのだ。
ダサかっこいいの極致。
本当は「ポトフ」が本命だったのに、
こっちにめちゃくちゃ惚れ込んで帰ってきてしまった。

サントラ欲しいっす。
輸入盤しかないから密林でMP3で買うか。


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「ポトフ 美食家と料理人」 [映画]



<STORY>
〈食〉を追求し芸術にまで高めた美食家ドダンと、彼が閃いたメニューを完璧に再現する料理人ウージェニー。二人が生み出した極上の料理は人々を驚かせ、類まれなる才能への熱狂はヨーロッパ各国にまで広がっていた。ある時、ユーラシア皇太子から晩餐会に招待されたドダンは、豪華なだけで論理もテーマもない大量の料理にうんざりする。〈食〉の真髄を示すべく、最もシンプルな料理〈ポトフ〉で皇太子をもてなすとウージェニーに打ち明けるドダン。だが、そんな中、ウージェニーが倒れてしまう。ドダンは人生初の挑戦として、すべて自分の手で作る渾身の料理で、愛するウージェニーを元気づけようと決意するのだが ── 。

美味しいものが大好きで、
料理をすることが大好きな人なら、
冒頭からの調理シーンだけで大満足なはず。
料理の工程を細かく見せてくれるので、
どんな野菜を使っていて、
どんな肉や魚をつかっているのかよくわかる。
ポロネギのどの部分をどの料理に使っているかまで丸見え。
大きなヒラメ(舌平目と訳されていたけれどフランスではあれが舌平目?)を、
レモンと香草と牛乳で煮て、
手で丁寧に皮をはがす作業まで念入りに見せてくれる。
そりゃもう美食の限りを尽くしているので、
とても全てはマネできないが、
パンにつめたシチューなんて、
ちょっと工夫すれば自分でもできそうだった。

なにせ食いしん坊なもので、
そこから思いきり心を持って行かれて、
登場する美しい料理に魅了された。

だからわかる。
最後にウージェニーがドダンに尋ね、
ドダンが答える言葉に満足そうに微笑む意味が。
彼らを結びつけていたものが、
ただの男と女としての愛情だけではない、
自らが考えた料理を、
確実に完璧に作り上げる相棒。
そこには愛情を遙かに超えたもので結ばれた愛があった。

最近は英語で演技することも多いジュリエット・ビノシュだが、
やはりフランス語で演じているとき、
このときの演技と表現力は格別だ。
幸せそうに料理をしているときの彼女の表情が、
無邪気な幼女のようでとても愛らしい。
それがとても眩しくて、
そりゃドダンじゃなくても惚れると思うw。

自らの畑で育てた野菜を使い、
信用できる人間から魚や肉を買い、
自らがもっとも美味しいと思う方法で調理する。
何度贅沢なことか。
料理も愛情も得られること自体贅沢すぎる。
両方望んでは欲張りというものだ。



それにしても、
サラダ菜のようなレタスのようなあの葉っぱ。
丸ごと茹でて絞って使うとは、
予想もしていなかっただけにビックリした。 

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