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「夕陽のガンマン」 [ムービープラス]




夕陽のガンマン [Blu-ray]

夕陽のガンマン [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2017/11/03
  • メディア: Blu-ray


<ストーリー>
殺人者のインディオを追って、射撃の名手で名高い賞金稼ぎのモーティマー大佐と、新顔の賞金稼ぎ“名なし"がエルバソの街にやってくる。インディオ一味に潜入するために、同じ目的を持つ二人は手を組んで作戦を企てることに……。

原題「For a Few Dollars More 」。 
何とも身もフタもない題名だし、
どこがどうなれば「夕陽のガンマン」になるのやら。
とはいえ、
昔の映画配給会社の邦題をつけるセンスは、
水野晴郎先生だけではなく、
かなり行けているものがあった。
別に全く続編でも何でもない作品に、
「続」とつけてしまうくらいの力技も。

ポンチョを着けてモンコ登場。
「名無し」ではない。
この辺りも如何にも宣伝目的の戦略的建前。
そのポンチョは「続・夕陽のガンマン」でラストに登場する。
そう、なるほどとここで思う。
やはり逆に観ると納得できたりするのだ。
リー・ヴァン・クリーフが別人なのはさておいて。
つまり桑畑三十郎と椿三十郎なのだ。

モーティマー大佐とモンコのバディものとしてみると、
このシリーズでは珍しいのだが、
結果的にモーティマー大佐は賞金稼ぎではないし、
最終的な目的は最後に明らかになり、
全ての賞金はモンコに譲る。
ネタバレではあるがそこは重要ではない。
モーティマー大佐がインディオ一味を追う理由も、
モンコにはどうでも良いことだし、
互いの信頼さえ築ければそれでOK。
それは結構シーンで充分過ぎるほどに、
互いの信頼を得るに足る腕前を見せ合った。
こんなところがまた粋じゃないか。

ハリウッドで作られた西部劇と、
決定的に違うところは、
「白人=善、先住民族=悪」ではなく、
民族にも肌の色にも関係なく。
どっちも善悪では諮れないところだと思う。
賞金稼ぎが善なのかと言えば、
金を稼ぐためにお尋ね者を捕まえたり殺したり、
そして御上に差し出すのが仕事。
これを決してキレイな仕事とは言えないだろう。
もちろん復讐のために銃を取ることも。
きれいごとではすすまないから面白い。
イタリア人のものの見方はアメリカ人とは違うし、
その音楽のつけ方も独特だった。
同じ小学校の同級生だったセルジオとエンニオは、
お互いの天才ぶりを知らずに仕事を始めて、
世界にその名を知らしめることとなる。
セルジオ・レオーネの迫力ある映像だけでなく、
その映像をもり立てる音楽、
これが強烈に世界中の人の心を惹きつけた。

外連味という点ではこの後の方が凄まじいが、
こちらは「確立」という点では、
見事にドル三部作の美学が詰まっている。

鳴かず飛ばずだったイーストウッド。
このスパゲッティ・ウェスタンへの出演は、
見事だったし賢明な判断だった。

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