「白い花びら」 [DVD&Blu-ray]
フィンランドのの国民的作家ユハニ・アホの名作をサイレント・フィルムとして映画化した異色の悲喜劇。フィンランドの片田舎。自分たちの作ったキャベツを市場に売りに行き、生活している夫婦ユハとマルヤ。キャベツは飛ぶように売れ、幸せな日々を送っていた。そんな2人のもとに光り輝くオープンカーに乗って、カサノバ風な男シュメイッカが現れ、マルヤを誘惑する…。
あらすじはありがちな物語。
田舎娘をたぶらかしたジジィが、
彼女を連れ出して良いようにこき使おうと。
捨てられた夫は失意のどん底から、
復讐に立ち上がるという何ともいえない三文オペラ。
それを全編台詞なしの無声映画で見せる。
台詞は最小限の字幕のみ。
ただ一カ所言葉があるのは歌の部分。
個人的には面白かったのだけど、
世間の評価はそれほど芳しくない。
たぶん「マッチ工場の少女」なみに陰鬱だし、
なんなら最後なんて、
どう見ても「灰とダイヤモンド」クラスの救いのなさ。
とにかく先を見通しても絶望ばかり。
本当に主人公が救われたのかもわからない。
でもカウリスマキ監督作品は、
都会の労働者が多いので、
田舎の農夫と言うだけでも新鮮だし、
自然を映し出すシーンでは、
「おお、フィンランドの美しさがステキ」と思える。
本当にそのシーンは、
新鮮に感じたし、
「こんなシーン観たことない」って思いましたわ。
ユーモア控え目。
原作があるとカウリスマキって、
案外かなりシビアでシリアスな監督。
2024-03-03 20:20
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