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「ホテル・ムンバイ」 [ストリーミング]


ホテル・ムンバイ [Blu-ray]

ホテル・ムンバイ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2020/03/03
  • メディア: Blu-ray



ストーリー
インドの巨大都市ムンバイに、臨月の妻と幼い娘と暮らす青年アルジュン(デヴ・パテル)は、街の象徴でもある五つ星ホテルの従業員であることに誇りを感じていた。この日も、いつも通りのホテルの光景だったが、武装したテトリスト集団がホテルを占拠し、"楽園"は一瞬にして崩壊する。500人以上の宿泊客と従業員を、無慈悲な銃弾が襲う中、テロ殲滅部隊が到着するまでに数日かかるという絶望的な報せが届く。アルジュンら従業員は、「ここが私の家です」とホテルに残り、宿泊客を救う道を選ぶ。
一方赤ん坊を部屋に取り残されたアメリカ人建築家デヴィッド(アーミー・ハマー)は、ある命がけの決断をするのだが――。

劇場にかかったときから観たかったのだが、
生憎他の映画の優先度が勝り、
結果的に今となった。
「アトロク」のムービーウォッチマンで当たったので、
良い機会なので今観ておこうと。

基本的に実話に基づく大量殺戮テロの話で、
正直言って今のような状況で、
自分が真っ正面から見られるか疑問だった。
しかし良くできた脚本で、
加害者側の人間も描き、
テロリストとは言え家族もいる、
そして何よりも「首謀者」に雇われた信心深い人間であること、
ここをクローズアップしたのは大きい。
一方的に血も涙もない悪党とは思わない。
そして被害者は文字通り巻き込まれただけであり、
それぞれに立場があり、
守るものがあり、
生き残りたい人たちなのは当然として、
傲慢と思われた人間が意外と紳士だったり、
普通の人が自分の家族のために暴走したり、
それぞれの価値観と優先順位にしたがって動く、
その姿の生々しさはある意味エゴイスティック。
ホテル従業員は「Guest is God.」のポリシーの元、
客を守るために献身的に残り、
次々に犠牲となっていく。

思った以上に悲壮感がないのは、
それぞれの人間性が描かれつつも、
群像劇として割合ドライだと言うことなんだろう。

今思うことは、
「やはり劇場で観ておけば良かった」と言うこと。
好みは分かれるかも知れないが、
ヒューマニズムとテロリズムの狭間で、
案外自分が試される作品である。

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