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「介護の絵本」 [電子書籍]


コータリン&サイバラの介護の絵本 (文春e-book)

コータリン&サイバラの介護の絵本 (文春e-book)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/08/27
  • メディア: Kindle版


「要介護5」のコラムニストが描く、愛と介護の日々。
9年前にくも膜下出血で倒れ、半身麻痺および高次脳機能障害の後遺症が残る神足氏は、現在、奥様に支えられてリハビリの日々を送っています。
当初は、前日の食事を忘れるどころか、食べ方も忘れるほどでしたが、積極的に最新型の車椅子や介護食を試したり、家族でハワイを旅したり、ディズニーリゾートや新国立競技場の進んだバリアフリーな設備を訪れるなど、ポジティブに生活するうち、何と梨を剥けるまでに回復しました。そんな日常が、ユーモラスに描かれています。
さらに、ベストセラー『恨ミシュラン』以来の相棒である西原理恵子氏のイラストが、絵本的魅力を演出しています。
介護に関係されている方は勿論のこと、今は介護に縁のない方にもお楽しみいただけると思います。
あっという間に読めて理解が深まる、いまだかつてない“介護本”です!

私はコータリンの文章が大好き。
昔から優しくてそのくせスパッと切ってくる、
そんな文章が大好き。
同じく大好きな小田嶋さんとはちょっと違うけど、
二人ともちょっと似ている。
そこにサイバラが独特の視点で毒を加える。
そりゃもうたまらん、の世界だ。

「介護の絵本」は相変わらずの二人だった。

コータリンの文章は、
くも膜下出血からの復活から読み続けているが、
すっかりもとのコータリンになった気がする。
年齢と病気を経験したためもあってか、
少しばかり優しさが増していて、
家族を気遣う気持ちがそこかしこにあふれていて、
考えようによっては年齢なりに丸くはなっている。
しかしそこに容赦ないサイバラの毒、突っ込み。
でもサイバラも元夫を見送ったり、
かっちゃんからいろいろ聞いているから、
昔のとんがり型とは違っている。

そんな二人が介護に関する絵本。

一気に読んでしまって、
ポロポロと涙が出てきてしまった。

家の母親が車椅子で動いていた頃は、
そんなに沢山車椅子の種類なんてなかったし、
見本市になんて連れて行かれなかったし、
もちろんVRで旅行なんてとんでもない時代。
コータリンの楽しみがたくさんあるのは良いことだし、
そこに連れて行く家族は大変だろうけど、
コータリンの笑顔があれば一緒に嬉しいのだろう。

ハワイでの健常者と障がい者に垣根がないという話、
駐車場で助けてくれた男性の話、
VRで世界旅行が体験できる話、
障がい者を取り巻く環境も変わってきている。

あとは障がい者を家に囲い込もうとする家族の問題。
これはやまゆり園事件にも通じる問題。

コータリンとサイバラの言葉、
健常者がみんな心に刻もうよ。

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「ボビー BOBBY」 [DVD&Blu-ray]


ボビー BOBBY  [DVD]

ボビー BOBBY  [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2007/08/10
  • メディア: DVD


商品の説明
1968年のロバート・F・ケネディ暗殺事件当夜、アンバサダーホテルに集った22人に焦点を当てた人間ドラマ。“ボビー”の愛称で国民に愛されたアメリカ大統領候補が凶弾に倒れるまでの一日を、彼に希望を託した人々の人生を通して描く。『世界最速のインディアン』のアンソニー・ホプキンスや『氷の微笑2』のシャロン・ストーンら豪華キャストが集結。当時の映像やスピーチを織り交ぜて見せる映像のリアルさに圧倒される。

凄まじいメンツの群像劇。
その数も半端じゃないので、
正直言って余り期待していなかった。
「これだけスターがいたらとっ散らかるだろう」
そう言う思いの方が先走っていた。

観てびっくりである。
これだけアクの強いスターたちを見事にまとめて、
見事にあるべき姿と場所に配置、
そして最後の事件に向かって盛り上がって行く。
特に女優陣が素晴らしい。
それぞれに事情を抱えて訳ありの役柄を、
エゴイスティックに突出することなく、
見事なバランスで演じていて、
それぞれの役柄も霞んでいない。
特にシャロン・ストーンはいつもより抑えた演技で、
夫を助けつつ仕事は常にお客第一、
そして耐える妻を見事に演じた。

そして最後のボビーの演説。
それは2020年の今こそ全世界が聴くべきだ。
ことにアメリカは今一度考えるべきだ。
ボビーが何をなそうとしていたのか、
なにをもってアメリカを変えたかったのか。
挿入されるベトナム戦争の映像も踏まえて、
今一度彼の存在と考えるべき時なのかも知れない。

それにしても、
エミリオ・エステベスの挿入歌のセンス、
これだけはどの監督作品を観ても、
心の底から感心するし納得する。
それは彼と私が同年代と言うこともあるのだろうが、
これはもうセンスの問題としか言いようがない。
映画の時代も主題も扱っている問題も違うのに、
既存の音楽から実に見事にそのシーンにふさわしく、
決して音楽がさらわないまでも見事に寄り添った曲を持ってくる。
どの映画もサントラが欲しくなってしまうから困りものだ。

もしかしたら少し早すぎた作品。
今観ることによって何かが訴えるものが必ずある。
それはおそらく全世界共通。


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「真夜中のカーボーイ」 [DVD&Blu-ray]


真夜中のカーボーイ [DVD]

真夜中のカーボーイ [DVD]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2014/02/05
  • メディア: DVD


<ストーリー>
大都会ニューヨークで一旗揚げるべくテキサスからやって来たジョー。だが、現実は厳しくいつしか孤独感にさいなまれる中で、彼はラッツォと呼ばれる小男と出会う。肺を病み、片足が不自由なラッツォの夢は太陽が輝くマイアミに行くこと。やがて奇妙な友情で結ばれた2人は、大都会の底辺から必死で這い上がろうとするが……。

アメリカン・ニュー・シネマは大体において切ない。
そしてやるせない。
本作も例外ではなく、
夢見る男たちの孤独と現実を否応なしに描き出す。
もはや不朽の名作であり、
何一つ私が付け足すコメントなどないだろう。
ニューヨークという都会は、
テキサスからやってきたジョーには、
余りにも冷たく現実的で残酷。
最も彼が故郷を離れたトラウマには及ばないかも知れないが。
その一方でそんなニューヨークの片隅で、
ひっそりとこすからく生きているけれど、
夢は太陽の降り注ぐフロリダへ行くことであるラッツォ。
二人の孤独と寂しさと優しさが重なり合い、
あり得なかったはずの友情が生まれるが・・・。 
 
それにしても若く溌剌としたジョン・ボイトよりも、
肺病を病んで足の悪い小男ダスティン・ホフマンの存在感の大きさ。
光と陰を演じた二人が、
陰がしっかりとあるからこそ光が輝くという、
見事な演技のお手本を見せつけてくれる。
薄汚い小男ラッツォこそ、
魂が美しく純粋で夢見ることを忘れない。
かなわないと思いながらも、
それでも必死に自分なりに生きるラッツォの姿は、
あの当時のニューヨークでは少なくなかっただろうし、
路上で凍死していく人間の象徴かも知れない。
陰を演じることの難しさと、
その陰が少しだけ輝きを放つときの光。
何ともダスティン・ホフマンは恐ろしい。
後年の名優のほまれを得てからよりも、
この頃の方が魂からの演技を感じられる。

この際古いダスティン・ホフマンの映画を見直そうか。

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「ブレックファスト・クラブ」 [ストリーミング]


ブレックファスト・クラブ 30周年アニバーサリー・エディション ニュー・デジタル・リマスター版 [Blu-ray]

ブレックファスト・クラブ 30周年アニバーサリー・エディション ニュー・デジタル・リマスター版 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • 発売日: 2015/06/24
  • メディア: Blu-ray



【ストーリー】
はみだし者の不良ジョン(ジャド・ネルソン)、美人で人気者のクレア(モリー・リングウォルド)、スポーツマンのアンドリュー(エミリオ・エステヴェス)、優等生のブライアン(アンソニー・マイケル・ホール)、変り者のアリソン(アリー・シーディ)。それぞれ問題を起こした5人は、罰として土曜日の登校し、自身に関する作文を書くはめになる。図書館で軟禁状態にされた彼らは、雑談やマリファナに興じるが、やがて互いの悩みや隠された心情を語りだす…。

宇多丸さんが「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」で口にして、
「あ、そういえば」と思いだして検索したら、
Amazon Prime Videoで無料だったので。

1984年製作。
この年は個人的に思い出がいろいろある年で、
実にいろんなことが起こった。
で、私は21歳になるところで、
いろんなことが一気に爆発した年でもあって。

だもので、
この高校生たちに異常に思い入れが深くなる。
それぞれが別の理由で補習を受ける羽目になり、
なぜそうなったかという潜在的な理由は、
それぞれにけっこう根深いものがあり、
おそらく100人がこの映画を観たら、
100%じゃなくても誰かしらに思い入れを持つだろうなぁと。
宇多丸さん言う所の、
「その時代に作られた青春映画がその時代の最高の青春映画」とはまさにこのことで、
今の時代ほど複雑化もしていなければ、
かといってその前の時代ほど反戦とかに熱心でもなく、
パーソナルな問題と家族の問題に落とし込めた時代。
確かにこの時代を生きた青春だからこそ、
思い切り彼らにはまり込めるんだなぁとあらためて実感。
そう、今の高校生はこれほど単純じゃない。
でも当時の彼らにはものすごく深刻な問題だったのだ。

それにしてもエミリオ・エステベス、
若い頃の方がお父さんに似ているなぁ。
そして案外本当に今とギャップが余りない。
更に思い出した。
ここの兄弟、
哀しいまでにスタイルが悪いんだよねw。
二人とも手足が短くてどちらかと言えばずんぐり。
でもどちらも卓越した演技力で他を圧倒。
ブラッドパックの中でも独特のキャリアを形成したのは、
やはり当時から単純な若手じゃなかったからなんだろうね。
弟は違う意味でのキャリアになったけどw。

てなわけで、
自分の35年前を思い出しつつ、
当時の世相も思い出しつつ
懐かしい音楽と懐かしい面々に酔いしれる1時間半。
たまに思い出して観たくなる作品。
こりゃメディアがあるうちに買っておくか。

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「マンディンゴ」 [DVD&Blu-ray]


マンディンゴ [DVD]

マンディンゴ [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2018/06/29
  • メディア: DVD


【ストーリー】
19世紀半ばのルイジアナ。
黒人奴隷を育てて売買する農園主マクスウェルの息子ハモンドは、名門の娘ブランチと結婚するが、処女でなかった彼女に失望し、黒人娘エレンを抱き、従順な黒人ミードを鍛えることに没頭する…。

黒人への不当な暴力や発砲から、
BLMが話題になっている今、
是非とも観ておこうと、
以前レンタル落ちを入手しておいた在庫から引っ張り出した。

何しろ問題作だと聴いていたので、
覚悟は充分。
「ジャンゴ」に出てくるレオナルド・ディカプリオのような、
最低の人間の集まりだろうなと。
製作者にディノ・デ・ラウレンティスの名前からも、
そりゃま、常軌を逸してもおかしくないし。

奴隷商人たちの良くわからない点は、
黒人たちを人間扱いしていないかと言えば、
彼らを使用人として使って、
彼らの触れたもの作ったものを平気で食べるし、
世話もさせるのだから不浄とは考えていないのだろう。
何より性の対象としてしていて、
子供たちを産ませてそれを売る。
この辺の感覚も良くわからない。
黒人娘に愛情を注ぎながら、
黒人である立場は絶対。
純血種マンディンゴの交配にも成功し(嫌な表現)、
奴隷農園は順調と思われた矢先に、
息子ハモンドが決して許せない出来事が起こって、
彼らは自滅の道へと落ちていく。

この不思議な感覚が現代も生きていて、
この感覚の根深さはもはやDNAレベルで、
これレイシズムは白人至上主義として根付いている。
だからBLMは他人事ではない。
アジア人もヒスパニックも先住民族も、
彼らにとっては差別の対象なんだから。

この映画で理解できるとは思わないが、
これだけ公民権運動の歴史があって、
白人と黒人の融和を試みてきて、
黒人の大統領まで輩出したのに、
この差別意識はなんなのか?
「デトロイト」「グリーンブック」など、
様々な黒人差別の映画も観てきたが、
結局彼らは元いた場所にみんな戻っていくのだ。
決して心から融和はしない。
「グリーンブック」の実話の方は、
まったくあんな雰囲気ではなかったそうだし。

とはいえ日本だってレイシストはたくさんいる。
特に韓国人、中国人に対しては、
かつて統治していたからこそ差別意識が強い。
「自分は日本人の中でもマイノリティだから、
 韓国人などに友達が多いし彼らにシンパシーを感じる」
そう言ってはばからない人でさえ、
BLMにはだんまりを決め込んでいる。
潜在的レイシストには違いない。

この意識は人間の本能なのか?
自分が優位に立ちたいという願望なのか?
優生思想の一種としての出現なのか?

今ならDVDは新品入手できるようなので、
BLMの根幹にあるものを観たければ、
是非ともこの作品は不可欠だろう。

決して観ていて気分は良くないが。

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「日本の戦争映画」 [電子書籍]


日本の戦争映画 (文春新書)

日本の戦争映画 (文春新書)

  • 作者: 春日 太一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/07/20
  • メディア: Kindle版


内容(「BOOK」データベースより)
戦後、日本映画はいかに戦争を見つめてきたか。元特攻隊の脚本家、学徒兵だったプロデューサー、戦地から生還した映画監督―。彼らが映画に込めた想いを追いつつ、スペクタクル、笑い、大スターの共演など多種多様な戦争映画の魅力を縦横に語り尽くす!

今回筆者自身が語っていたことだが、 
Stay Home期間に戦争映画をたくさん見直し、 
「これは一冊できるな」と思って一気に書いたと。

その「一気に書いた」片鱗がそこかしこに見える。
というのも、
筆者の本来の専門であるはずの時代劇と比較して、
作品の紹介が中心になることもあって仕方ないのだが、
非常に残念ながら薄っぺらい。
まえがきにもあるとおり、
イデオロギー的偏りを排除するためか、
戦前戦中の映画を省いたがために、
どうしても反戦的メッセージの抽出になり、
それが監督や製作者、脚本家たちの特色のつまみ食いになっている。
もちろん戦前戦中の映画を含めることは、
国威発揚映画、国策映画を含めることになり、
そこに思想的色合いが濃くなるので避けたのだろうが、
そうした映画の中にも名作といわれるものがあるわけで、
そこを排しても紹介するべきだったのではないかと思う。

というよりは、
戦後の日本映画史をある程度知っている人なら、
観たことはなくても知っている映画が多いのである。
かつ数多く紹介したいという筆者の考えからなのか、
扱う数が多いことによってその掘り下げ方も散漫になっている。
もちろん知らない作品もあるのだが、
多くは概要を知っている映画だったのは、
おそらく筆者の著書や出演番組を追い続けたからだと思いたい。
まぁ逆に言えばそういう人は読まなくてもいいのかもしれないが。

ともあれこの本の価値は、
巻末の片淵直監督との対談だろう。
筆者の真骨頂はインタビュー技術にあると思っているので、
やはり片淵監督との話にも独自の視点があると思われる。
この点においてこの一冊は価値をなす。

辛口ばかり並べたが、
日本の戦争映画について何も知らない、
今比較的観ることができる作品で知りたい、
そういう人は読んでみていいと思う。
多くの作品に興味をそそられるだろうし、
戦争映画における男女の立ち位置や階層の描かれ方や、
或いは特攻に対する姿勢の違いなどを知ることができる。
ただ筆者のディープなファンには、
筆者の知識のおさらい程度に感じられてしまう可能性、
そう感じる場合もあることは一応記しておく。

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「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」 [ストリーミング]


ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(字幕版)

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2014/08/20
  • メディア: Prime Video


【STORY】
“モンタナ州のウディ・グラント様 我々は貴殿に100万ドルをお支払い致します"
誰が見ても古典的でインチキな手紙をすっかり信じてしまったウディは、ネブラスカまで歩いてでも賞金を取りに行くと言ってきかない。
大酒飲みで頑固なウディとは距離を置く息子のデイビッドだったが、そんな父親を見兼ね、骨折り損だと分かりながらも彼を車に乗せて、4州にわたる旅へ出る。
途中に立ち寄ったウディの故郷で、デイビッドは想像もしなかった両親の過去と出会うのだが―。

町山さんの話を聴いて、
「観たい!」と思ってからもう5年も経ってしまったのか。
今回はACTIONで宮藤さんと伊勢志摩さんが、
猛烈な大渋滞を起こしながら話していたので、
「ああ、今度こそ」と思い立った。

素敵なストーリーだった。
最初は老いぼれた父親の戯言に、
息子が付き合うロードムービー、
気楽に楽しんで・・・と思っていたが。

父親は強く逞しかったアメリカの象徴。
免許を返納したのにもかかわらず、
ピックアップトラックに執着をして、
それを自ら運転することに拘る。
40年も前に貸したコンプレッサーを返してもらいたい、
取り返すことへの執着。
息子たちは日本車と韓国車に乗り、
ささやかな幸せに満足している。

途中で立ち寄ったかつて暮らしていた町では、
今だの古き良きアメリカが健在。
男たちはマッチョであることを尊び、
女たちは彼らの世話をして慈しむ。

以下ネタバレ。

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「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」 [WOWOW]


シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション [DVD]

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2020/05/08
  • メディア: DVD


ストーリー
ボディーガードや探偵を請け負う凄腕のスイーパー「シティーハンター」こと冴羽りょうは、相棒の槇村香と日々様々な依頼を受けている。ある日、ふたりに危険な依頼が舞い込む。それは、その香を匂った者を虜にする「キューピッドの香水」の奪回。
これが悪用されたら世界は大変なことに! タイムリミットは48時間。
りょうと香は、時間内に香水を取り戻すことができるのか! ?
元傭兵の海坊主、美人刑事の冴子を巻き込みシティーハンターの香水奪回作戦がはじまる! !

もちろん劇場で吹き替え版を観ていたわけで、
今回原語版が観られるので、
どんなモンかなーと思ってみたら。

フランスじゃ「ニッキー・ラーソン」なのねw。
香はローラだしw。
フランス語を話す冴羽獠はやっぱり違うw。
言語が違うと全体の雰囲気とかニュアンスも、
こんなに変わってしまうのかとちょっと戸惑う。
そして吹き替え版は、
配給会社の粋な計らいもあったようで、
ラストの感動が全然違うものになってしまった。
とはいえ、
フランス語版のラストに「GET WILD」をちょっとでも使うのは、
やはり主役、監督の「シティハンター」愛があふれていた。

赤坂の楠葉さん曰く「私の冴羽獠ではない」。
確かにそうだけど、
検討は認めるし面白いから許すw。

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「パピヨン」 [WOWOW]


パピヨン [Blu-ray]

パピヨン [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2020/08/05
  • メディア: Blu-ray


■パピヨン
胸に蝶のイレズミをしている所から“パピヨン"と呼ばれている男が、無実の罪で投獄され、13年間にも及ぶ刑務所生活を強いられながらついに脱獄に成功するまでを描く。

この手の古い名画の長尺物は、
チャンスがないとなかなか観ない。
まして金を払ってまでは。
と言うことでWOWOWで放送されたこの機会に、
気分が乗っているときにやっつけてしまおうと。

正直言って、
スティーブ・マックイーンよりも、
ダスティン・ホフマンの方にずっと目が行ってしまった。
なんという役作り、
なんという巧みな表情と台詞回し、
すっかり私はドガの虜になってしまった。
パピヨンの脱出物語は確かにスゴイし、
実話を基にしていると言うことであれば、
現実にそれに近いこともあったのだろうが、
残念ながら余り感情移入ができなかった。
むしろドガの選択する行動や言葉、
そして彼ならではのやり方にすっかりはまった。
最後の最後の彼の選択も、
彼の表情もその姿も。

意外なものである。
格好いいマックイーンよりも、
贋札作りの天才とは言え、
決してさえない風貌と、
何ともいえない挙動のホフマンの演技に、
やられてしまうとは意外すぎた。

と言うことで、
果たして「パピヨン」という映画を堪能したかは疑問だが、
俳優ダスティン・ホフマンは堪能した。
彼を眺めているだけで、
この映画の面白さがあるような気がするのだ。
脱出と自由に拘った男と、
平穏と自分らしさに拘った男。
残念ながら挑む男の雄々しさよりも、
守る男の平和に惚れてしまった。
まぁそれもこれも、
ダスティン・ホフマンの巧みな演技なのだが。

名作だし音楽も良いのだけど、
なんか思っていたのと違ったというのが正直なところ。
でも見終わったあとは良い感じ。
これはこれで見て良かった。

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「ガス燈」 [TV]


ガス燈 コレクターズ・エディション [DVD]

ガス燈 コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: DVD


内容紹介
イングリッド・バーグマン主演、アカデミー賞2部門に輝く、サスペンス映画の傑作!
1944年版:
ガス燈の灯る、霧の都ロンドン。
育ての親で有名歌手の叔母が何者かに殺され、遺産を相続したポーラ。
留学先で出会った音楽家のグレゴリーと結婚し、死んだ叔母の家で暮らし始める。
それからと言うもの、物忘れや盗癖が目立つと夫に指摘され、ガス燈までも奇妙にちらつくようになる。
ポーラは自分がおかしいのではないかと思い込み、不安に苛まれるように

本年公開の「透明人間」で、
また注目された「ガスライティング」という言葉。

ガスライティング(英: gaslighting)は心理的虐待の一種であり、被害者にわざと誤った情報を提示し、被害者が自身の記憶、知覚、正気を疑うよう仕向ける手法[1]。例としては、嫌がらせの事実を加害者側が否定してみせるという単純なものから、被害者を当惑させるために奇妙なハプニングを起こして見せるといったものまである。

その語原となったのがこの映画。
40年くらい前に一度TVで観ただけだったが、
その巧みな精神的な追い込み、
怯える美しいバーグマン、
いやらしさに磨きのかかったシャルル・ボワイエ、
誠実で堂々としたジョセフ・コットン。
印象深く覚えていたのだが、
今回NHK BSで放送があり飛びついた。

不朽の名作とはこのことだろう。
幸福の絶頂から少しずつ追い詰めて、
精神的に不安定を増して行く主人公。
一見彼女を気遣うふりをしながら、
不穏な動きを見せる夫。
そしてやがて言動の刃が妻を追い詰める。
そこに現れるホワイトナイト。
彼は職務を超えた関心から、
彼女を救うために事件の真相を暴くために動く。

心理劇なので派手な見せ場と言うよりは、
そこかしこにちりばめられたヒント、
あれこれとキニナルポイント、
様々なことを観察する楽しみ。
さすが心理的虐待の一種の語原になるだけのことはある。
それをまたうまく使った「透明人間」も見事。
この面白さは色褪せないし、
どうやって使うかはまた違う面白さがある。

クラシックではあるが、
決して古くもないし色褪せてもいない。
むしろ今の方が新鮮かも知れない。
「透明人間」が面白いと思った人は、
ぜひとも減点をご覧になることをオススメする。

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