「MEN 同じ顔の男たち」

夫の死を目撃してしまった女性が心の傷を癒すため、自然あふれる美しいイギリスの田舎街を訪れるが、そこで現れる男たちは全員、同じ顔をしていた……。

予告編1回だけでがっちり掴まれて、
大して調べることもせず、
ウキウキと劇場に向かってしまった。

ハッキリ言ってコワイ。
グロい描写も怖いけれど、
それ以上に内在する恐怖とトラウマと罪悪感、
その可視化がコワすぎてゾクゾクする。
ちょっと日本のホラー的要素もあるけれど、
そこはやはりA24の手がけるホラー、
その生々しさは何ともいえずエグイ。

この感覚は観た人にしかわからないと思うし、
生理的なものなので言葉にしがたい。
ただ最初から可視化された違和感、
主人公の服装や天気から考える気候と、
ムスカリが咲き乱れ、
緑あふれる森の木々や大地、
これがどうにも気持ち悪いと思っていると、
もっと気持ち悪いものが登場するから想像を超える。

A24お得意のゾワゾワゾクゾクするホラー。
一番コワイのは人間の心。
それはいつも変わりなく。　



ちなみに内在する恐怖、トラウマ、罪悪感を閉じ込めると、
人間はいつか爆発する。
その攻撃先が外に向かうか内に向かうか、
それはその人と環境次第。
私は20年抱えたものが内に向かった。