SSブログ

「野球少女」 [映画]


大ヒットドラマ「梨泰院クラス」でトランスジェンダーの料理長マ・ヒョニ役を演じたイ・ジュヨン最新主演作。今作でジュヨンが演じるのは、プロを目指す天才野球少女。決して夢をあきらめずに、社会に立ち向かっていく姿に誰もが胸を打たれ、第24回釜山国際映画祭では観客・批評家が熱狂。感動の声が続々と寄せられた。韓国公開時には口コミが話題を呼び、スマッシュヒットを記録。コロナ禍、誰もが生まれて初めての経験に立ち向かった2020年だからこそ、何があってもあきらめない主人公の姿に、誰もがエールを送るに違いない!

評価が二分していて、
「どうしようかなぁ」と思っていたら、
すでに観た人が「観ておいた方が良いですよ」と。
何といっても辛口の批評が多くてなぁ。

結論。
ド派手にぶっ飛ばす韓国映画になれていて、
それがベンチマークになっている人には退屈だろう。
でも韓国映画には「はちどり」「あなた、その川を渡らないで」みたいな、
何ともいえず静かな良い映画もあるわけで、
むやみに感動を煽るわけでもなく、
野球という世界に対して女性が現実的に不利なことなど、
けっこう厳しい現実が突きつけられるので、
エクストリームな展開や結末を期待していると、
確かに辛口な判定になってしまうだろうなぁ。

個人的には良かったと思う。
高校生の女子野球選手がプロになりたい、
でも男性には体格も力もかなわない。
それでも夢を追いたいという気持ち、
それはあの時期にしか持てないものだし、
諦めないこともあの年齢だからできること。
母親の現実的な言葉ももっともだけど、
「やるだけやりたい」という気持ちを貫き通すために、
新任コーチも一緒になって前に進む、
幼なじみも彼女の気持ちを理解して力づける。
こんなストーリーと仲間たち、
あってもいいじゃないかと思わせる。
一部には主人公の態度が悪いとか、
上を目指す人間の謙虚さがないとか、
いろいろと悪評紛々なのだけど、
彼女はここに来るまでに散々屈辱的な目に合っていると思われ、
それを考えたら態度を硬化させたり、
可愛くない態度を取るのも宜なるかな。
これはおそらく順調に人生を歩んだ人にはわからない。
他人から色眼鏡で見られることが普通になっている人間は、
それが標準になってしまうこともあるのだ。

実際に野球をやっている人にはファンタジーだろうけど、
でもファンタジーの世界が映画には必要。
どこまでもつらい現実の映画も良いけれど、
こういう夢がある映画も良いじゃないの。
予想とは違う地味な展開だからって、
それが「悪い映画」という評価にはならない。
「サプライズ」なんて人生には数えるほど。
そう言う現実を踏まえながら主人公を眺めていると、
彼女が舐めてきた辛酸も少しは理解できるかも。

コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。