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「SKIN/スキン」 [ストリーミング]


映画『SKIN/スキン』
主演:ジェイミー・ベル 監督・脚本:ガイ・ナティーヴ
『SKIN 短編』で2019年アカデミー賞短編実写賞を受賞したガイ・ナティーヴ監督最新作。レイシストとして生きてきた若者の苦悩と贖罪を描く、衝撃の実話。

「聖なる犯罪者」を観て、
「人は変わることができるのか」
「人はそれまでの人生と真逆の人生を生きられるのか」
その疑問と共に、
友人から薦められたことを思い出して。

レイシストのコミュティというものが、
こういうものであることを知らなかった。
これは私が知識で知っている、
マンソン・ファミリーと大差ないコミュティだ。
弱者をつり上げてレイシストに育て上げる。
衣食住を与えて恩義に感じれば、
いやが上にもそのコミュティの思想にも染まる。
その世界の異常さに気がついたとしても、
簡単に足抜けできるような世界ではない。
そして犯罪記録やマークされていれば、
職にも就けない、まともに生きる道はない。

主人公ブライオンは外の人間である女性と知り合い、
その行き方を変えようと決心するが、
妻とその娘たちの理解を得られても、
世間とコミュティは彼を赦さず受け入れず手放さない。
ここで多くの人間は元の楽な生き方を選択しやすい。
それはそうだ。
女房子供を養おうにもまともな職はない。
平和に暮らしているところにレイシストの集団がやってくる。
飴と鞭でレイシストのコミュニティは彼を手放そうとしない。
それはそうだ。
コミュニティの罪も異常さもよく知っているのだから。
でも一度外の世界から彼らを眺めてしまったブライオンには、
その異常さに気付いて戻る気など持てるはずがない。
そしてこうした集団にはつきものの、
狂信的暴走をする人間が現れて、
更に新しくコミュティに染まる人間が現れて。
それでもそれを乗り越えて、
FBIに協力してまでも生きる決意をしたのは、
彼が外の世界とそれを教えてくれる家族を持てたからだ。

自らの罪と向かい合うこと、
それまでの自分と違う人生を生きること、
社会に自分の持てるものをもって尽くすこと、
そして自分を赦すこと。

この映画と「聖なる犯罪者」は、
そのことを実に深く考えさせてくれる。
自分の心の持ち方で他人の受容が変わることや、
見た目や肩書きで人の見る目が違うことや、
犯した罪は常につきまとうことは、
一度踏み込んだ世界の恐ろしさを教えてくれる。

それでも人は生き方を変えられる。
そうしようという強い意志と、
周囲の助けと理解があれば変えられる。
日の当たる場所に出て行きたければ、
方法さえ間違えなければ道は拓ける。

レイシストは軽蔑する。
しかしこのように組織的なレイシスト集団は、
幼い子供から育成してコミュニティを形成する。
だとしたらブライオンを一概には責められない。
徹底して遮蔽されたコミュティで、
一方的で偏った思想を徹底して教育される。
そして暴力と武装で生きる。

世界は偏見に満ちている。
だから自分も気をつけなければと肝に銘じる。

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