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「タイタス」 [DVD]


タイタス [DVD]

タイタス [DVD]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • メディア: DVD


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
シェイクスピアの戯曲「タイタス・アンドロニカス」を、舞台演出家・ジュリー・テイモア監督が映画化。ローマ最高の戦士と謳われるタイタスは、亡き皇帝の息子たちによる激しい帝位争いに巻き込まれる。さらにタイタス一族の滅亡を目論む者も現れ…。

10年以上前に、
まだjCOMで多チャンネル契約をしていた頃、
何気なくつけたチャンネルで放送されていたのを、
途中から見始めて魅了された作品。
有名なシェイクスピアの映画化はあるが、
「タイタス」(「タイタス・アンドロニカス」)は初めて知った作品。
「これがシェイクスピア?」と思うくらい、
余りにも陰惨で救いようのない復讐劇。

最初は威厳を持った戦史であったタイタスが、
家族の悲劇に徐々に普通の父親の顔を見せ、、
自分が情けをかけたが故に家族を壊した一族への、
地の復讐にとらわれた男へと変貌していく。
その変化をアンソニー・ホプキンスが見事に演じていて、
最後の狂気の宴会の場面では、
おどけてすら見せるその鬼気迫る演技に圧倒される。

シェイクスピアを舞台演出家が映画化したので、
衣装とか大道具小道具が時代と違う演出だったり、
説明台詞がやたらと多かったり、
今時の映画の成り立ちになれていると、
「これ何?」となりかねないけれど、
そもそも「舞台」だと思って観れば、
不思議な演出も理解できるし、
説明台詞も当然の成り行き。

2時間40分、
それを楽しめれば全然長いと思えない。
むしろ話を凝縮しているので、
次から次へと話が展開して、
息をつく閑もないというのが本音。

何が衝撃的って、
シェイクスピアの時代から、
今の世の中で起こるような事件やら、
復讐劇やら政治闘争が描かれていたこと。
だからこそ今観ても退屈しないし、
むしろその見事な演出と脚色に魅了される。

すでに古い映画になっているし、
それほど話題になった映画とも思えないので、
今更観ようという人は少ないだろうが、
一度こう言う芸術映画でありながら、
人間の途轍もない欲と業を描いた作品を観るのも良い。
物語を楽しみたい人ならば、
下手な今時のハリウッド大作映画より楽しめること請け合い。

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