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「救命艇」 [DVD]


救命艇<2枚組特別編> [DVD]

救命艇<2枚組特別編> [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD


商品の説明
第二次世界大戦の大西洋上で一隻の輸送船がドイツ軍のUボートの攻撃を受け撃沈された。残骸が海に漂う。その中に、ボートが一つ浮かんでいた。乗っているのは夫人記者のコニーで、平然と煙草を吸っている。そこへ、泳ぎ着いた男が助けを求めた。その男、コバックはエンジン室の技師で逞しい肉体の持ち主だ。コニーが記者魂を発揮して戦争の惨状を次々にカメラに収めようとするので、コバックは「生存者を早く探してここから脱出するんだ」とたしなめた。もう一人泳ぎ着いたのは無線技師のスタンリーだ。また、3人の男女が泳ぎ着き助けられた。富豪のリッテンハウス、看護婦のアリス、脚に負傷を負った水兵ガスだ。続いて、コックで黒人のジョーが、赤ん坊を抱いたイギリスのヒギンズ夫人を抱きかかえるように泳いできた。アリスは赤ん坊に人工呼吸を施したが既に死んでいた。ヒギンズ夫人は錯乱状態で我が子を抱きしめる。そこへ、もう一人の手がボートのへりにかかった。輸送船爆破のあおりを受けて沈没したUボートの生き残りドイツ兵のウィリーだった…。

ヒッチコックの初期の秀作。
救命艇という閉鎖された場所で、
それぞれの思惑と助かりたいと言う共通の気持ちが交錯し、
追い詰められると共に人間性をむき出しにしていく。

非常にティピカルな「嵐の山荘」もの。
ヒッチコックらしい心情描写もまだ薄い。
しかしこれが戦時中に作られたことを思えば、
それもまた致し方ない限界がある。

終盤ナチスの生き残りに、
全員が協力して行う所業は、
積もり積もった不信感とナチス憎しの描写。
これこそがこの映画の目的であり、
ヒッチコックはこの所業に対する、
それぞれの受け止め方を描きたかったのだろう。
最後のコニーの台詞が総て。

古い作品だし、
話も古くさいし、
退屈に感じる部分もあるだろうが、
こう言う映画を観ておくことが、
戦争という極限状態において、
法律を守ろうとするものと、
法律を超えた感情でしか動けないもの、
人間性がむき出しになる状況を知ることになる。
今は300円でも買えるらしいので、
「知る」という意味で損はしないと思う。


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