SSブログ

「アップルの人」 [本]


アップルの人 (新潮文庫)

アップルの人 (新潮文庫)

  • 作者: 宮沢 章夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/12/20
  • メディア: 文庫


内容(「BOOK」データベースより)
デジタル社会は謎と笑いに満ちている。昼下がり、アップルの社員らしき若い男たちを尾行してみたり、サポートセンターに電話して、いつの間にか係の女性相手に「人生」を語ってしまったり…。Mac、iPodから秋葉原、インターネット、メールまで、デジタルとの格闘から生まれた抱腹絶倒の全49編。パソコンがわからなくても面白い、超脱力エッセイ集。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宮沢 章夫
1956(昭和31)年、静岡県生れ。劇作家・演出家・作家。’80年代半ばから竹中直人、いとうせいこうらとのユニット「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」の作・演出を担当し、小劇場界に衝撃を与えた。’88年、仕事を離れ、マダガスカルで数カ月生活。その後、劇団「遊園地再生事業団」を結成し、’92(平成4)年上演の戯曲『ヒネミ』で岸田國士戯曲賞を受賞した。早稲田大学客員教授も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

3年前にiPodを手にして以来、
なんだかんだと3台のiPodシリーズを手にして、
去年にはとうとうiPhoneに到達してしまった。
が。
私は残念ながら「アップルの人」ではないのである。
厳密に言えば、
この本で言う「アップルの人」とは「アップル社の人」であり、
当然私が「アップルの人」であるはずがない。
著者も「アップルの人」ではない。
Macを主に使う人ではある。
ところが面白いことに、
小説を書くにはWindowsじゃないと調子が出ない。
エッセイだの映像関係だのはMacなのに、である。
なんだ?この人。

何というか、
この手のエッセイを書く人に顕著なことに、
デジタルな世界に疑問を抱きつつも、
その便利な世界を享受する。
映像加工などMacにはお手の物だし、
レンダリングに悩まされながらも、
「待つ」のである。
そう、デジタルの世界で映像を扱うことは、
「待つ」ことの連続だ。
なんかよくわからないが、
この人の視点って「普通」だと思う。
だから書いていることにいちいち納得させられる。
思わず「そう、そうなんだよ!」と激しく頷いてしまう。
そこにはMacもWindwsもないのである。
AppleStoreのおしゃれさに臆するのも同じなら、
禁断のiPodに悩みつつ手を出してしまうのまで同じだ。
と書きながら、
意外と今の若者は悩まないのだろうと思ってしまった。
それはとりもなおさず、
産まれたときから幼い頃から、
デジタル社会に馴染んでいる世代との違いなのか。

片足どっぷりとまでは行かないが、
膝下くらいまではMacに足を突っ込んでいる私には、
アップルの世界はあこがれでもありながら、
驚異の世界でもある。
クリエーターでも何でもない私が、
Macは敷居が高い。
Windowsに比べたら自由度も制限される。
なんだかんだ言っても、
世界の中心はWindowsで構築されているのである。

しかしまぁ、
Macな世界に足を突っ込むと、
この筆者のような楽しい妄想の世界が待っているのなら、
それもまた愉しと言うものではないか。

そう思いつつも、
いつになったら踏ん切りがつくのか。
でも宮沢氏はほんの少しではあるが、
背中を押してくれた。
ま、ホントに気持ちだけなんだけどね。




で、本としてどうかって?
愉しいです。
時折変な世界が展開されるけど、
それも含めて最高です。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。