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「沖縄スパイ戦史」 [TV]


沖縄スパイ戦史 [DVD]

沖縄スパイ戦史 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2020/09/25
  • メディア: DVD


内容紹介
ふたりのジャーナリストが迫った沖縄線の最も深い闇。
少年ゲリラ兵、戦争マラリア、スパイ虐殺……
そして、遂に明かされる陸軍中野学校の「秘密戦」とは?
「もう、忘れていいよ。わたしがここで、覚えてるから」
戦後70年以上語られなかった陸軍中野学校の「秘密戦」、明らかになるのは過去の沖縄戦の全貌だけではない──。
第二次世界大戦末期、米軍が上陸し、民間人を含む20万人余りが死亡した沖縄戦。
第32軍・牛島満司令官が自決する1945年6月23日までが「表の戦争」なら、北部ではゲリラ戦やスパイ戦など「裏の戦争」が続いた。
作戦に動員され、故郷の山に籠って米兵たちを翻弄したのは、まだ10代半ばの少年たち。
彼らを「護郷隊」として組織し、「秘密戦」のスキルを仕込んだのが日本軍の特務機関、あの「陸軍中野学校」出身のエリート青年将校たちだった。
1944年の晩夏、42名の「陸軍中野学校」出身者が沖縄に渡った。
ある者は偽名を使い、学校の教員として離島に配置された。
身分を隠し、沖縄の各地に潜伏していた彼らの真の狙いとは。
そして彼らがもたらした惨劇とは……。
「散れ」と囁くソメイヨシノ
「生きろ」と叫ぶカンヒザクラ
長期かつ緻密な取材で本作を作り上げたのは、二人のジャーナリスト。
映画『標的の村』『戦場ぬ止み』『標的の島 風かたか』で現代の戦いを描き続ける三上智恵と、学生時代から八重山諸島の戦争被害の取材を続けてきた若き俊英、大矢英代。
少年ゲリラ兵、軍命による強制移住とマラリア地獄、やがて始まるスパイ虐殺……。
戦後70年以上語られることのなかった「秘密戦」の数々が一本の線で繋がるとき、明らかになるのは過去の沖縄戦の全貌だけではない。
映画は、まさに今、南西諸島で進められている自衛隊増強とミサイル基地配備、さらに日本軍の残滓を孕んだままの「自衛隊法」や「野外令」「特定秘密保護法」の危険性へと深く斬り込んでいく。

劇場公開時に行かれなかった。
メディアが発売になるので、
どうしようかと思案していた矢先、
日本映画専門チャンネルで放送があることを知り、
絶対に観ておかなければいけないと。

大東亜戦争末期、
沖縄へとアメリカ軍が迫る中で、
なぜ沖縄は捨て石にされたのか、
民間人を巻き込んだ悲惨な戦いとなったのか、
この映画の存在を知ったときから、
陸軍中野学校が関係していると知ったときから、
その内容が知りたくて仕方なかった。
地元の少年を召集して兵士に仕立て上げる、
スパイとしての知識と技術を教え込む。
その理由はなんだったのか。
日本軍の真の目的はなんだったのか。

それはもはや国民のためではなく、
軍隊のためでもなく、
国体護持のためだったという話は余りにも悲壮だ。
そしてたまたま沖縄が一番最初にその地になっただけで、
本土決戦が行われたとしても、
同じことが行われたはずだろうと。
個人的にはむしろ本土でも同じようになれば良かったと思う。
私が個人的に抱いてどうしてもぬぐえない、
沖縄や沖縄の人への罪悪感や慰霊の気持ちは、
そうしたら少しはマシだったのかも知れないと思うから。

ドキュメンタリーだから、
「この事実を知ってください」としか言いようがない。
その事実の受け止め方は人それぞれだし、
人によっては「戦争なら当たり前」と言うだろうし。
人によっては「日本軍は最低だ」と言うだろう。
沖縄の市民を巻き込んだ作戦のマニュアルも、
軍機保護法による現地人の殺害も、
或いは現地人がスパイとなることへの恐れも、
あれもこれもすでに破綻した軍の妄想に近い。
追い詰められたから・・・言い訳はいくらでもあるだろう。
上層部に命じられたから・・・。
戦争なんてそんなものだから・・・。

だからこそ最後に語られるように、
戦争は絶対に避けるべきことだ。
その悲惨さを身をもって知る老人たちが、
口を揃えて言うことを重く受け止めるべきだ。

もうすぐ戦争経験者たちがいなくなるだろう。
語り部たちがいなくなってしまう。
今のうちに私たちは記録を残し、
言葉を残して記憶するべきである。
そして二度と愚かな戦争を繰り返してはならない。
同じ言葉を何度も繰り返してきたが、
こんなにも非人道的な扱いを沖縄県民にした根拠が、
「国体護持」なんだとすればなおさらである。
国体が残っても国民が残らなければ何もならない。
まさしくメンツにのみ拘ったくだらない動機付けでしかないから。

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「大化改新」 [TV]


岡田准一主演 大化改新【NHKスクエア限定商品】

岡田准一主演 大化改新【NHKスクエア限定商品】

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2020/07/04
  • メディア: DVD


商品の説明
中臣鎌足と蘇我入鹿の友情と裏切り、そして悲劇的な結末に至る愛憎の物語。
7世紀、理想郷を求めて改革に燃えた若者達がいた。
「大化の改新」という史実の裏で語られる事のない、中臣鎌足と蘇我入鹿の友情と裏切り、そして悲劇的な結末に至る愛憎の物語。

以前から観てみたかったこのドラマ、
たまたま再放送があったので。
これもコロナ禍の影響か?

飛鳥時代の一大事「大化改新」。
とはいえ推測によるところも多い時代、
残された書物が史実とは限らない。
何より歴史の授業で習ったのは、
豪族として天皇をも凌駕した蘇我氏を、
中大兄皇子と藤原鎌足が討ったと言う話しか知らない。
このドラマも脚色によるところが大きいらしいし、
どこまでが史実に忠実なのかは不明。

ま、そんなこたぁどうでも良くて、
若き日の岡田くんの演技力が堪能できて、
原田芳雄、仲代達矢、小栗旬他、
豪華な共演陣とがんばっているのが観られればそれでw。

しかしまぁ、
ここから始まる藤原氏も後に驕り栄華を誇るわけで、
そういうのちのちのことを考えると、
皮肉なものをいろいろ感じる。
そこが歴史の面白いと頃なんだけど。

今の若い子は歴史が嫌いな子が多いそうで、
「なんで過去にあったことを覚えなきゃ行けないのか」
「年号なんて意味がない」って言うらしい。
でも歴史はずっと連綿と続いているわけで、
過去があったからこそ今の我々がいるわけで、
そういう意味では今の政権とか非常に恥ずかしいのだけど。

歴史は大事よ。
なんにしても断片的にでも頭に入れておくべき。
それがやがて繋がったときに、
ビックリするほど壮大な繋がりに愕然とするから。

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「人生フルーツ」 [TV]



最初にこの映画のことを耳にしたのは、
2年前の「東京ポッド許可局」だった。
その時も「観たい」と思った。
しかしその当時は今ほど劇場に行っていなかったし、
中野まで行く気力もなかった。
その後各地を転々と上映されていたが、
予約ができない劇場だったり都合が合わなかったり、
けっきょく今の今まで気にとめたまま観ないまま時は過ぎ去った。

今回日本映画専門チャンネルで、
樹木希林さん関連の特集でナレーションをしていることもあり、
この映画が放映されることとなったのだ。

自宅のインターネットを無料にするために契約したCATV。
今回ほど涙が出るほど良かったと思ったことはない。

東海TVのドキュメンタリー作品なのだが、
以前より定評のあった枠である。
戦後日本の復興のために、
復員してくる人たちのために、
「この人たちが作る家を作ろう」と考えた建築家夫婦の物語。
と言っても87歳と90歳の今。
語られるのはかつて公団が出来た時に入社し、
ただ人を詰め込む箱のような団地ではなく、
自然と共生して自然を感じられる土地と建物。
そしてその近くに自ら300坪の土地を買い、
雑木林や果樹、畑、竹林と平屋建ての家を作る。
そこで暮らす老夫婦の自然と一緒に生きる生活。

それだけなのだけど、
私は自然が適度にあって、
適度に便利だから今の土地が好きなので、
とても夫婦の暮らしが腑に落ちた。
更に手作りでジャムを煮たりコンポートを作るのも好きだし、
できれば家庭菜園もやりたい位なので、
この暮らしが羨ましくて仕方がない。

「人生フルーツ」。
長い年月をかけて土を作り、
木を育てて果樹が実る。
87歳と90歳の生活に、
人生という名のフルーツが実った生活を観た。
「長い年月」をかけるからこそ。
つまり私にはもう間に合わない。
でも忘れないでいて欲しい。
自然は一朝一夕に作るものではない。
時間をかけてじっくりと、
徐々に人と共に育っていくもの。
一度奪われた自然を取り返すのは簡単なことではない。
それは自然も人生も同じことだから。

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「シェルブールの雨傘」 [TV]


シェルブールの雨傘 [Blu-ray]

シェルブールの雨傘 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: Blu-ray


【ストーリー】
フランス北西部の港町シェルブールで、ささやかだけれど美しい恋を育む自動車修理工の若者ギイと傘屋の少女ジュヌヴィエーヴ。恋に恋する年頃のジュヌヴィエーヴに未亡人の母エムリー夫人は心配顔。出かけるたびに嘘をつきながらもジュヌヴィエーヴはギイと出会う時間が嬉しかった。だがある日、アルジェリア戦争の徴集礼状がギィに届き、二人は離れ離れとなってしまい ―。

映画「真実」公開と言うことでTVで放映。
私も予習にと。

もしかしたら全編ミュージカル、
それもフランス語なんて初めて観た。
あの台詞からいきなりのダンスと歌に違和感を感じるのだが、
台詞の総てを歌うというのは、
意外と自然でとても情感を揺さぶる。
そしてフランス語の美しいこと。

話は単純な悲恋もの。
「ひまわり」にも似た戦争で引き裂かれ、
お互いに新しい幸せを手に入れた後の再会。

なのにクライマックスで号泣。
シンプルでわかりやすいだけに、
心にグイグイ刺さってきて、
雪のクライマックスでの偶然の出会い、
元恋人、名乗れぬ父親、
そして今の妻と愛する息子。
余りにも切なすぎて心が張り裂けんばかりでした。

カトリーヌ・ドヌーブの存在感は、
若い頃から全く変わっていない。
美しく堂々として、
自信に満ちあふれたその姿。
「真実」がますます楽しみになった。

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「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」 [TV]



なんというか、
実話と言うだけに生々しい。
そのくせ何処か滑稽で間抜けな話。
ご存知の人も多いだろうが、
戦後になった手も英国は同性は違法だった。
いまじゃ一時的なスキャンダルになっても、
あっと言う間に忘れ去られるであろう同性愛も、
当時の有名人には致命的な罪。
だからこそ殺人事件にまで発展する。

ダメ男専門俳優w、
ヒュー・グラントの渾身の演技が見事。
ふけメイクもリアル。
見事にジェレミー・ソープを演じきった。
もともとシリアスな役柄と、
コメディでの役柄の落差が激しい役者で、
逆に言えば、
それだけ激しい逆ベクトルの役柄を演じきれる人なわけで、
今回もラストの堂々たる態度の見事さたるや、
英国人俳優の面目躍如。

事件のスキャンダルを楽しむのも良し、
政治的裏側を楽しむのも良し、
ヒュー・グラントの演技を楽しむも良し。
3時間があっと言う間に終わること請け合い。

今の日本でもLGBTに厳しいことを仰る方がいるようだが、
実際にそれが罪だった国のあるのだ。
もちろん性的ダイバーシティは認められるべきである。
そもそも同性愛が罪ならば、
歴代の各国の領主たちは皆有罪なのだ。
人が人を愛すること、
性的嗜好は誰かが決めるものではない。

ってところと、
この話は実は関係ないんだけどね。

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「プレデターズ」 [TV]

「ザ・プレデター」公開中につき、
TVで「プレデターズ」放送。
吹き替え版では観ていなかったので、
もう一度観てみようかと。

見直すとけっこう面白い。
いろんな亜流が作られたけど、
やはり正史はここにありと言うことで、
ちゃんとシュワちゃんの作品を踏まえて、
キッチリ作られているなぁと。
いろんな意味で意味不明なところもあるけど。
ハイテクなプレデターに対する人間たちが、
とことんアナログで対応していくところが、
このシリーズの醍醐味と言えば醍醐味なわけで。

こういう風に観ちゃうと、
「ザ・プレデター」も観たくなる。
しかしなぁ、
映画館にいくほどかと言えば、
何とも宇多丸さんの映画評を聴く範囲では、
家でも良いような気もしちゃう。
鑑賞ポイントも使っちゃったので、
金払って朝早く行くほどの気力は沸かない。

いずれにしても、
見直したらけっこう良かったと言う話。
「映画」としてみるのと、
「TV」としてみるのと、
字幕で観るのと、
吹き替えで観るのと、
それぞれにちょっとずつ価値観が違うので、
そう言う判断も出てくるわけですよ。
「コマンド-」の吹き替え版が良いというようにね。

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「コマンドー」 [TV]


コマンドー (ディレクターズ・カット) [AmazonDVDコレクション]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD


【ストーリー】
かつて特殊部隊のリーダーだった男の娘が誘拐された。敵の目的は、彼の殺人能力で某国の首相を暗殺すること。だが男は飛行機から密かに脱出! その事実が敵に発覚する前に、巨大な悪の軍団のアジトを探し出し、たった一人潜入した!

アフター6ジャンクションの「シュワちゃん総選挙」の後、
BS朝日で放送されたので、
思わず久しぶりに観てしまった。

最後は必ず勝つとわかっている。
その安心感がたまらないシュワちゃんアクション。
ランボーならずとも1人だけの軍隊w。
若き日のシュワちゃんの凄味を堪能。
理屈なんて要らないのが、
シュワちゃん映画のこの当時の醍醐味。

してみると、
「T2」あたりからちょっとシュワちゃんって変わったかな。

シュワちゃんアクションの面白さって、
バンバン人を殺すんだけど、
その死に方とか殺し方に、
ちょっとユーモアがあるところなんだな。
この作品も勿論。

観ながらあらためて、
シュワちゃん総選挙の結果に納得。

いやはや、
何年経ってもこの手の映画は理屈抜きに面白い。

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「めがね」 [TV]


めがね[Blu-ray]

めがね[Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: Blu-ray


内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『かもめ食堂』の荻上直子監督、小林聡美主演で贈るヒューマンコメディ。都会での生活に疲れ海辺の田舎町にある小さな宿にやって来た女性が、風変わりな宿の人々に困惑しながらも次第に癒されていく姿をユーモラスに描く。

WOWOWで放送していたので、
何年かぶりで観てしまいました。
もう何十回も観ているのに。

ここのところ心がささくれていたので、
風景と奈美さんの料理と、
たそがれることに癒されました。

思えば荻上さんの作品って、
この頃が頂点だった気がします。
その後の作品は、
ちょっと変わった人が出てくることが多くて、
奈美さんの料理もどんどん見せ場が減ってきて。
この作品に出てくる人たちは、
たぶん都会では変わった人たちなんだけど、
あの島で生きるには自然なことなんですよね。
たそがれに行く島。
黄昏を味わう氷小豆と料理。

風邪が全然治らなくて、
それでも仕事に追われた一日の終わり。
「めがね」のおかげで安眠できそうです。

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「クリーピー 偽りの隣人[」 [TV]


クリーピー 偽りの隣人[Blu-ray]

クリーピー 偽りの隣人[Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • メディア: Blu-ray


【ストーリー】
犯罪心理学者の高倉(西島秀俊)は、刑事・野上(東出昌大)から6年前に起きた一家失踪事件の分析を頼まれる。しかし事件唯一の生き残りである長女・早紀(川口春奈)の記憶をたどるも、核心にはたどりつけずにいた。
一方、高倉が愛する妻・康子(竹内結子)と共に最近引っ越した新居の隣人は、どこか奇妙な家族だった。病弱な妻(最所美咲)と中学生の娘・澪(藤野涼子)をもつ主人・西野(香川照之)との何気ない会話に翻弄され、困惑する高倉夫妻。そしてある日、澪が告げた言葉に、高倉は驚愕する。
「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。」
未解決の一家失踪事件と、隣人一家の不可解な関係。
2つの繋がりに高倉が気付いた時、康子の身に【深い闇】が迫っていた・・・。。

初黒沢清映画。
映画館で散々予告編を観て、
「なんだかなぁ」と思っていたのだけれど、
「散歩する侵略者」が話題になっていたので、
ちょっとWOWOWで放送されたのを。

いやぁ、聞きしに勝る不快感。
いきなり登場から香川照之が不快、怪しすぎ。
なんでこんな男に易々と騙されるのか理解不能な妻。
娘と名乗っている女の子の行動も不明。
刑事が単独行動するのもわからない。
こう言う映画が好きな人には、
没頭して観られれば楽しいかも知れないけれど、
そもそもいろんなアラがキニナル人には。
単なる不快むかつき映画。
あの幕切れの後で、
妻はどうなっちゃうんでしょうね。
そういうこと考えると、
全然スッキリしない終わり方だし。

多分黒沢清映画と相性悪いですわ。
「コワイ」というよりは単なる不快。
金払って観ることはないだろうな。

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「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」 [TV]



いやぁ、衝撃のラストだった。
「あ、彼らは囮だ」とわかった瞬間から、
イヤな予感はしていた。
そして金城一紀お得のダブルミーニング。

「CRISIS」という言葉には、
「危機」という意味があることは先刻ご承知。
相手がテロリストや新興宗教などだから、
当然「国家の危機」というまっとうな捉え方をしている。
しかし例によって考えてみて、
再度言葉の意味を調べてみたら、
「転換、転換点」という意味があった。
それはもちろん彼らにとっての転換点。

自らたちを囮にして、
良いように使われたことに対する憤り、
命をかけて意に沿わない警護をしながら、
その警護が実は何も意味を持たなかったこと。
命を賭けて守りたくもない命を守ること。
それに対して彼らが抱いた感情。
いくら切れ者のエキスパートであっても、
彼らは人間であり、
闇をのぞいてきたからこその転換点。

最終回の終わり方にネットが騒然として、
「続編を映画化を!」の声が上がっているらしいけど、
この後は知らない方が良いだろうな。

「BORDER」の時と同じように、
人は境界線を踏み越えるときがある。
それが今回は「転換点」ということである。
「BORDER」の時は偶々普通の人間で、
その人間が偶然死者と話せるようになったことで、
一線を踏み越えていく物語であり、
当然彼に続編があってはならなかったのだけど、
今回はエキスパートの集団だからこそ、
続編を作ってしまったらえらいことになる。
「SP」は映画化ありきだったけれど、
おそらく今回はそこまでは考えていないだろう。
彼らは最初からまっとうな「正義」の上で生きてない。
だからこそ転換点を迎えることは簡単である。
それが故の最終回のあの一言。

この余韻が金城一紀の小説家らしさかも知れない。
何ともいえずスッキリはしないが、
TVドラマに染まってしまうと、
明解な答えを欲しがるのが当然かも知れない。
けれどそうではないからこそ、
金城一紀のドラマは面白いのである。

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