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「リトル・マーメイド」 [Disney+]



外の世界に憧れていた16歳の人魚のアリエルは、ある日、人間の王子を助けたことをきっかけに彼に恋してしまう。その気持ちを抑えられなくなった彼女は、周囲の心配をよそに魔女と契約を結び、地上の王子に会いに行く。

何度も何度も劇場で予告編を観ても、
「さすがに金は出さないわ」と言うことで、
今Disney+に金を払っている意味を見出すために、
さて観ようではないかと。

「人魚姫」って奴は、
幼い頃に悲恋の話として読んでいて、
多分Disneyアニメは観なかったなぁ。
幼心に結ばれない運命と、
余りにも大ボケな王子が馬鹿に見えて、
全く好きになれない童話だった。

問うことで、
けっこうこの話もバカにしていた。
海の中のCG部分は夢の世界だけど、
リアリティに欠けるのが気になって。
だけど実際見始めてみると、
陸に上がってからの物語が良かった。
原作ではほぼ見えてこない領民や、
生活の様子が生き生きと描かれて、
華やかなDisneyの世界が広がって美しい。
アリエルもまたやはり足を得てから、
さすがに自然な動きで行き来と美しい。
そして魔女が「運命の人」を偽って登場してからは、
周りの勢いと魔女の力に押し切られる王子。
最近のDisneyにありがちな、
強い女性と優柔不断で煮え切らない王子の構図。
そこから一転、
なんどハッピーエンドか!と思わせたのも一瞬、
またまた魔法は解けてアリエルは人魚の姿に。

そこからの展開が予想外、
いや予想以上だった。
陸の民と海の民の話になって、
互いに今まで理解するつもりがなかったのが、
アリエルと王子が結びつけて、
分断から融和へと動いていく。
つまり世界平和へと大団円を迎える。

ああ、なるほどなぁ。
今のDisneyは王子と人魚姫の悲恋ではなくて、
彼らが大使となって、
互いの世界を結びつけて平和に生きる。
そういう世界を描くことにしたのか、と。
その気になれば理解し合えるし、
その気になれば人種も宗教も超えられるってか。

まぁ人間社会ではそうは行かないのが、
現実というものであって、
今でも肌の色による差別は厳然とあるし、
人種の違いによる差別や分断はあるし、
ましてや宗教による分断はおそらくこの先も分断はなくならない。


そんな現実社会をDisneyは、
今の作品で融和させることに引っ張っている。
どの作品も交わらない種を交わらせて、
互いを理解して共生することを描く。
もっとも戦争になれば戦争協力者にもなったのが、
ウォルト・ディズニーなのだが。



で、ふと思い出した。
母親が私に読ませた見せたお姫様の世界、
シンデレラも白雪姫も人魚姫も、
まったく王子に憧れる気持ちはなかった。
幼い頃から白馬の王子様を夢見たことがなかった。
還暦にしてやっと自覚した。
やはり私はAセクシャルでAロマンティックなのだ。
人を人間として愛することはできても、
そこに異性としての意識が介在しない。
Disney作品を観てそのことに気づくとか、
なんの皮肉かと思うが、
そう言うこともあるものだ。


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