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「まぼろしの市街戦」 [ザ・シネマHD]


まぼろしの市街戦≪4Kデジタル修復版≫ [Blu-ray]

まぼろしの市街戦≪4Kデジタル修復版≫ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2022/08/10
  • メディア: Blu-ray


第一次大戦末期、敗走中のドイツ軍は占拠したフランスの小さな街に大型時限爆弾を仕掛けて撤退。イギリス軍の通信兵は爆弾解除を命じられ街に潜入するも、住民が逃げ去った跡の街では精神科病院から解放された患者とサーカスの動物たちが解放の喜びに浸り、ユートピアが繰り広げられていた。通信兵は爆弾発見を諦め、最後の数時間を彼らと共に過ごそうと死を決意するが…。(C)1966 - Indivision Philippe de Broca

この映画の存在を知ったのは、
確かもう30年近く前だと思う。
是非とも観たいと思っていたが、
長い人生いろいろあってすっかり失念。
数年前から気になっていた。
CATVの契約内容を変えたことで、
やっとザ・シネマHDで観られた。

なるほど。
これは死ぬまでには観ておくべき価値がある。
何と皮肉にあふれた、
かつ生き生きとした魅力にあふれた、
自由で美しい作品なのだろう。
人間にとっての本当のユートピアとは何か、
心底考えさせられる作品だ。

この作品が一種のカルト化しているのも理解できる。
線上でありながら、
比喩的にユーモラスであり、
兵隊たちも物騒な武器を持ち、
物騒な作戦を実行しながら、
どこか間が抜けていて愛らしい。
そして精神病院から解放されて、
街中で自らの自由な精神を解放する人々、
彼らの純粋無垢で美しい魂と、
人生を楽しむその奔放さ。
そこが戦場であることなど無関係に、
彼らは束の間の自由を謳歌する。
本当の人間らしさとは何か、
本当に自由な精神とは何か、
殺し合うことの虚しさと共に、
その美しい映像と音楽と共に、
深く心に入り込んでくる不思議な映画だ。

主人公が最期に選ぶ道を、
圧倒的に私は支持する。
彼は気付いてしまったのだ。
本当の幸せに。
私もそうなれたらどれだけ幸せか。

真の心のユートピアはどこにあるのか。

それは物質や金では得られないものかも知れない。

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