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「観なかった映画」 [本]


観なかった映画

観なかった映画

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/03/31
  • メディア: 単行本


映画ファンたちの話はなにかと「すごい」。
「今年は何百本も観た」「あの監督はすべて観た」と盛り上がる。
「観なかった」側は、その話には入れない。
でも、映画の中で何が起きているのかを語るだけで、
映画を語れるのではないか?
マニアックな語りから遠く離れて、
映画にしかできないことに注目する、
長嶋有&ブルボン小林、初の映画評論集!

ブルボン小林のマンガに対する目線が好きだ。
然るに映画に対しても面白そうだと思い、
以前から読みたいと思っていた一冊。

楽しい。 
変に評論家ヅラしていないので、
面白がるところがちょっと違ったり、
スゴイ映画は素直にスゴイと言ったり、
ちょっと昔の映画を思い出しながら読む。
そしてこの本で気付かされたこと。
四半世紀前くらいに観た映画って、
VHSで観ていたと言うこと。
今やDVDも通り越して、
4K UHD Blu-rayが自宅で観られる時代、
大きな劇場の画面で観たならいざ知らず、
VHSの(今考えると)不鮮明な画像で、
暗い画面の映画などは何を見ていたのだろうかと。

そんな矢先に「セブン」がWOWOWで放送されて、
それこそ20何年ぶりかで観たのだが、
今観ると陰惨な殺人事件の場面が、
クッキリハッキリディテールまで見える。
過去には見えなかったものが見える時代。
そんな単純なことも気付かなかった自分。

で、以前から観たかったけれど、
今ひとつ決め手に欠けて観なかった映画も、
ブルボン小林の手にかかると、
「あ。これは観ておいた方がよさそう」と思える。
今回あらためて思ったのは「RED/レッド」。
好きな役者が多く出ているのに、
この手の映画は当たり外れが大きいので手を出さなかった。
その反対に今観るかどうか迷っているのは、
「まぼろしの市街戦」。
もはやカルトと化している作品。
やっとザ・シネマHDで録画できたので、
HDDに控えているのだが。

ことほど左様に映画など嗜好品だから、
それぞれの好みで全く評価が変わって当たり前。
余程信頼できる人や評論家でもない限り、
100%好みが一致したり、
或いは評価を信用しきれるものではない。
ブルボン小林は映画評論を気取らない。
自分の目で見て自分の評価を書くだけ。

案外それが信用できるものである。

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