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「別に怒ってない」 [本]


べつに怒ってない (単行本)

べつに怒ってない (単行本)

  • 作者: 武田 砂鉄
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2022/07/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


いつ読んでも、どこから読んでもなんだか面白い! タイムレスな魅力のあるエッセイ集。

◎居酒屋のトイレの男女表記が騎士と貴婦人なのはやめてほしい
◎郵便物を待つのが好き
◎歯医者の時間を決めるスムーズなやり方がわからない
◎クレーマーおじさんと喫茶店で相席になり、メニューを取る手が重なったが恋は生まれそうになっていない
……などなど、見逃せないほどでもないが、気にならないわけではない現象に拘泥し、考えすぎのプロ・武田砂鉄らしいしつこさで考えを深めていく!
不毛な考えが豊かに花開く、「日経MJ」連載から厳選したエッセイ123本詰め。

とにかく想像力が豊かだ。
もともとしつこく考え続ける人だし、
とにかくよくよく考えている人なので、
「この人、一人っ子で時間がたくさんあったのかな?」と思っていた。
お母様のお話などを聴くにつれ、
「一人っ子」という思いは強くなったのだが、
先日お兄様がいることがわかった。
だとしたら、
この性格はそう言うこととは関係なく、
とにかく子供のころから、
「日の当たる場所」を避けるように、
できるだけ「少数派」でいられるように、
そうやって生きてきたその賜物、
と、言うことが本書でよくわかった。

普段のラジオ出演の折り、
どうしても一番若いことが多いので、
「若い」という刷り込みがこちらにされている。
しかしこうしてエッセイを読むと、
それなりの中年男性であることを知る。
それでも自分との年齢差を考えれば、
充分に若いのだけれど。

そう言う不思議な思い込みと刷り込みが、
こちらにあるものだから、
意外な側面というか、
普段の姿をこうして読むと楽しい。
申し訳ないが楽しんでしまう。
そして「ほうほう、砂鉄さんでもこんなことを思うのか」とほくそ笑み、
更に「考えすぎ、想像力がありすぎ」と笑う。

とにかく森羅万象、
ありとあらゆるものを擬人化して想像力を働かせる。
そこからの展開が常人とはちょっと違う。

それにしても愛すべき人だ。
こういう人がパーソナリティとして愛される。
ラジオで人気が出たのも当然のことだ。
どこか特徴的なパーソナリティを持っていること。
それが「ラジオパーソナリティ」と言われる所以だ。

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