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「とりあえず、本音を申せば」 [本]


とりあえず、本音を申せば

とりあえず、本音を申せば

  • 作者: 小林 信彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2021/03/25
  • メディア: 単行本


コロナはこわいが、家にも楽しみはある。BSプレミアムの映画特集、トランプ大統領の本、喜劇人志村けんの面白さ。名コラム最新刊。

脳梗塞を乗り越えて、
やっと平常のコラムに戻ったかと思ったら、
昨年は明けたと思ったらあっと言う間にコロナに席巻された。

と言うことで、
高齢で持病を持つ筆者の生活も、
当然ながら外出がめっきり少なくなり、
家で過ごす中での話となってくる。

なかなかに面白かったのは、
筆者がトランプについて書かれた本を3冊も読み、
その内容、恐怖について感想を述べている点だ。
日本の政治についてあれこれ言うことはあっても、
大統領についてここまで固執しているのは初めてではないか?
だとすれば、
トランプという人がいろいろな疑問や難儀な点はあるが、
人を惹きつけるものがあるというのもわからないでもない。

そしてBSプレミアムの映画について、
ちょくちょく題名が出てくるのだが、
思わず「そんな名作をやっていたのか!」と悔しくなる。
BSプレミアムは良いプログラムをやってくれるので、
レコーダーで24時間録画しているのだが、
いかんせん勤め人の身の上では時間が足りず、
チェックするまもなく消えていく。
まさしく、後悔先に立たずなのである。
この本で知ることで余計に悔しくなる。

それにしても筆者はラジオを聴くのはやめてしまわれたのか?
全く話題に出てこないのが不思議である。
デイサービスに昼間出かけたりすれば、
昼間のラジオは聴けないだろうし、
昔のように気ままに暮らせない規則正しい生活では、
深夜ラジオを聴くこともままならないだろう。
筆者のコラムに時折登場するラジオの話。
これが楽しみの一つだけだっただけに、
少々残念である。

こんなご時世だから単調になるのは仕方がない。
それでも筆者が元気な証拠として、
クロニクルエッセイとしての役割を果たしてる。
やはり毎年この時期にこのエッセイは欠かせない。

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