SSブログ

「ゆれる」 [ストリーミング]


ゆれる [Blu-ray]

ゆれる [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バンダイナムコアーツ
  • 発売日: 2021/01/27
  • メディア: Blu-ray


◎内容◎
東京で写真家として成功した猛は母の一周忌で久しぶりに帰郷し、実家に残り父親と暮らしている兄の稔、幼なじみの智恵子との3人で
近くの渓谷に足をのばすことにする。懐かしい場所にはしゃぐ稔。稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。
だが渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。
事故だったのか、事件なのか。
裁判が始められるが、次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる兄を前にして猛の心はゆれていく。
やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった──。

以前観たはずなのだが、
どうにも記憶が曖昧で。
多分前回観たのはTV放送だった気がするので、
相当良い加減に見ていたのかもしれない。

二組の兄弟。
事件の当事者たる兄と目撃者の弟。
ガソリンスタンド経営者のその父親と弁護士の兄。
この対比は面白かった。
兄と弟のものごとの受け入れ方が逆。
生きていく道の選び方が逆。
血は繋がっているのに、
縁者であるのに、
どこまでも二組の兄弟は逆方向へ向かう。
その思いはずっとすれ違いのまま。

前回は全然そんなことは思わなかったから、
相当良い加減だな。
記録も残していないし。

私には兄弟がいないから、
こう言う血縁の葛藤というものがわからない。
だけどこの映画の舞台である山梨は、
母の田舎であり、
その田舎でありつつも半端に田舎で、
手を伸ばせば都会に手が届く場所、
そんな場所の特徴もわからないではない。
だからそこで生きる道を選んだ父親と兄、
その存在のお互いに兄弟に感じる卑屈さはなんとなくわかる。
それは東京という街に住むことを望まず、
神奈川の片田舎で生きることを望む自分もまた、
同じような思いがあるからかも知れない。

いずれにしても、
西川監督はこの映画の解釈を、
観客の「ゆれる」心に委ねていると思う。
最終的にどういう結末を兄弟が迎えるのかも、
総ては観客の望むとおりなのだ。
結論は観客の胸の中。



余談。
15年前の香川照之は、
驚くほど塙宣之にそっくりであるw。

コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。