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「夢売るふたり」 [ストリーミング]


夢売るふたり [Blu-ray]

夢売るふたり [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2013/03/06
  • メディア: Blu-ray


◎内容◎
東京の片隅で小料理店を営んでいた夫婦は、火事ですべてを失ってしまう。
夢を諦めきれないふたりは金が必要。再出発のため、彼らが始めたのは妻が計画し、夫が女を騙す結婚詐欺!
しかし嘘の繰り返しはやがて、女たちとの間に、夫婦の間に、さざ波を立て始める……

ひと言で言って「松たか子の映画」。
松たか子が小さいながらも幸せな忙しさの中で放つ、
生き生きとした目の光りから、
不幸に見舞われて懸命に夫を力づけながら、
やがて一つの計画に向かっていく女の逞しさ、
夫と共に夢を売りながらも、
何処かで虚しさが抑えられないやるせなさ、
そして最後の最後まで夫に付いていく女の力強さ。
その総てが彼女の目の光りと表情で語られる。
阿部サダヲは見事に彼女の傀儡のように、
二人の夢のために動かされる狂言回し。
女たちに夢を売った二人の末路は、
夫が思いがけずに情を寄せたことで予想外の方向に向かい、
またそこでの松たか子の演技がすさまじい。
多くの女たちが出演して、
それぞれに情を寄せて愛しながらも、
松たか子の夫に寄せる情と執念には誰もかなわない。

それにしても西川監督、
「女」というものを見事に描いている。
様々な立場、様々な経済状況、様々な情を持つ女たちを、
一人の男を巡ってその存在を見事に描き分け、
その芯になる存在である妻の凄さを見せつける。
これはある意味女にしか描けない業だと思うし、
女だからこそ描ける本音なのだろう。

西川監督の描く女は恐い。
本音を隠して美しい表の顔を見せながら、
ここの中で渦巻く情念の深さと、
氷のように冷たいとんでもない本音。

松たか子という女優の、
女優としての怨念のようなものさえ感じる作品。
それを引き出した西川監督、
二人とも天晴れ。

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