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「メルシー!おもてなし」 [舞台]

メルシー!おもてなし

「志の輔らくご in PARCO」が生み出した落語4演目を舞台化。中井貴一、勝村政信、音尾琢真、YOUらが絶妙のコンビネーションであのほっこりワールドを立体化。
4演目を一つの脚本に組み上げたのは、演出も担当する劇作家、演出家のG2。彼の「志の輔さんの作品を舞台化したい」という一声で実現したという今作。主演はパルコ劇場には何度も立っている中井貴一。商店街の会長役を存在感たっぷりに演じ、観客を物語へ引き込む。周りを固めるのは、勝村政信、音尾琢真、YOU、阿南健治、明星真由美、サヘル・ローズといった強力かつ個性的メンバー。舞台となる商店街で巻き起こる一大騒動を、ハイテンション&フルスピードで感動の(?)ラストへと導く。
志の輔が、「落語ファンにはひと味違った演劇の面白さを、演劇ファンには落語への興味を感じてもらえたらハッピー」と語る今作。彼がたったひとりで成し遂げたものが、12人の俳優と大人数のスタッフにより新しく生まれ変わった演劇版「志の輔らくご」をじっくりお楽しみください。

見事だなぁと思ったのは、
落語をベースにしているからなのか、
演者が普通の舞台よりも余計にアドリブや、
動きを楽しみながらやっていること。
落語という一人語りの芸を、
芝居にして厚みを持たせることで、
人間関係も心持ちも厚みが出てくる。
最後にはホロリとくるのは、
この芝居ならでは。

「歓喜の歌」もそうだったけど、
志の輔の落語には日本の心があるんだなぁ。
だからこそ膨らませて芝居にも映画にもなる。
どちらにも挙通するのは、
「仕方ないだろう」という気持ちから、
「せめてできることをやろう」という気持ちへ変わること。
そこに良き日本人の心が詰まっている。

落語が乗ってくると噺家が変貌するように、
芝居も乗ってくると役者が変わる。

志の輔らくごが演劇として成立するのには、
やはりそれなりのわけがある。
落語では笑えるオチが、
演劇では泣ける。
気持ちの良い舞台だった。

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