SSブログ

「答えより問いを探して 17歳の特別教室」 [電子書籍]


答えより問いを探して 17歳の特別教室

答えより問いを探して 17歳の特別教室

  • 作者: 高橋 源一郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/08/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


あたりまえを疑ってみると、知らない世界が見えてくる。「読む」と「書く」の体験をとおして自分が変わる、人生が変わる。子どもも大人も目からウロコの、超・文章教室!
「ぼくは、先生の役割って、一つの狭い常識のなかで生きている人に、そうじゃないよと教えてくれて、でも、その答えは自分で見つけなさいよ、といってくれることだと思います。」(本書より)
「17歳の特別教室」シリーズ=大人前夜のきみたちへ。学校では教えてくれない本物の知恵を伝える白熱授業。

源ちゃんの「飛ぶ教室」に砂鉄さんが出演した際、
この本の題名もちらっと出てきて、
その題名から「わかりやすさの罪」にも通じるものがあると感じて、
即刻購入。

「17歳の特別教室」ということは、
大人には簡単すぎる話じゃないの? 
そう思われる方もいらっしゃるだろうが、
17歳をバカにしちゃいけない。
そして当然教える側の源ちゃんも、
17歳だからって手加減なんかしていない。
もちろん大学の授業よりは簡単な課題を選んだり、
そういう意味での工夫はしているだろうけれど、
源ちゃんは17歳をバカにするような人じゃない。
だから大人だって充分勉強になる。

マニュアル世代というくくりは好きじゃない。
ただマニュアルがあれば強い、
そういう人がいることは実感としてわかった。
そして彼らのタイプとして言えることは、
「マニュアルで過程も答えも知りたい」という気持ちが強いこと。
本来答えは思考と過程の先にあるもので、
そのためにはまず問いかけが必要となる。
マニュアルで答えを得ることになれてしまうと、
問いを持つことを忘れてしまう。
そもそも問いを持たないから根本を理解しない、
形とその成り立ちは理解するが、
自らが抱いた問いがないから忘れやすい。
言葉は悪いが問いを考えることをわすれている。
だから源ちゃんがどんなふうにこの題名を教えるのか、
どんな課題を使って言葉にするのか、
非常に興味があったし自分でも知りたかった。

残念ながらこの源ちゃんの手法は授業の一つであり、
なかなか仕事の上でそのままは使えない。
何よりいい歳をした大人に対して、
読むことと書くことなんて仕事上で要求して、
そこから考え方を変えることを要求するのは難しい。
願わくばこの本を直接読ませたいが、
「17歳の特別教室」という言葉が躊躇させる。
大学の授業も昔とはずいぶん変わって、
先生も色々な人が客員として招かれて、
源ちゃんのようにユニークな授業をしているようだ。
だから学ぶことは相手も自分の年齢も関係なくて、
立場とか偉いとかそういうこととも無関係。
そういう意味ではこの本は多くの大人にも読む価値があるし、
ひいては自分の子供や家族にも影響を与えられる。
謙虚な気持ちで本書に向かい合うと、
いろいろなことに目を開かされる。

とてもいい本を読んだのだが、
そこで語られていることを人に伝えるのは難しい。
まして「答えを得るのではなく問いを自分で探してほしい」という要求は、
一人の大人に対してするには厳しいものがある。

今ちょっと袋小路に自分が入った気分だw。

コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。