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「またね、富士丸。」 [本]


またね、富士丸。

またね、富士丸。

  • 作者: 穴澤賢
  • 出版社/メーカー: 世界文化社
  • 発売日: 2010/10/21
  • メディア: 単行本


内容紹介
☆☆☆ あの!!人気ペットブログ『富士丸な日々』著者、穴澤 賢氏待望の最新刊! ☆☆☆

人気ブログ『富士丸な日々』で日本中の読者を魅了した、ハスキーとコリーのミックス犬「富士丸」。
昨年10月の突然の急死から早1年。飼い主「父ちゃん」こと穴澤氏が綴った、最愛の富士丸を失った
壮絶な悲しみや苦しみ。そして富士丸に対する深い深い愛情。。。
富士丸ファンや犬好きだけでなく、悲しみや苦しみから立ち上がれない人にも是非読んでもらいたい1冊です。


号泣。
富士丸を失った哀しみと混乱から、
酒に溺れて酩酊状態が続き、
心ある友人から叱咤されてやっと富士丸の死を報告。
そしてそこから始まる、
いつ果てるとも知れない喪失感との戦い。
その中での死の誘惑。
考えたことがそっくりだった。
家には自分が首をくくれるような場所もなく、
飛び降りや電車は多くの人に迷惑をかける。
といって樹海まで行く体力も気力もない。
何ということだろう。
これほどまでに同じことを人は考えるものなのだ。
自らと重ねて号泣した。

「2009年11月 余波」
読んでいてつらかった。
号泣しながら自分の体験を思い出していた。
書き綴られた内容に覚えがあった。
自分がどん底状態にあった時を思い出した。
離人感、物事を忘れる覚えていられない、
時間が過ぎ去るのさえわからなくなる。
明らかな抑うつ状態なのだ。
私ですら「まさか自分が」と思った。
そして今回この本を読んでよくわかった。
人は「何か」を失う喪失感によって、
抑うつ状態になるものなのだという事実が。
穴澤氏は富士丸を失うことによって、
私は子宮と叔母を失うことによって。
自分が予想もしていない、
いや考えてもみなかった喪失感に苛まれるものなのだ。

それでも容赦なく現実は動いている。
穴澤氏は富士丸と住む予定だった土地の所有者から訴えられ、
私はカマを掘られて、
否応なく現実的な問題に対峙していくことになる。

そうして現実に引き戻されて、
一見して何とか生活ができるようになっても、
まだこころには傷と後悔が残る。
「あの日もう少し早く帰っていれば。」
「あの日出かけたりしなければ。」
穴澤氏の心にはまだその思いがあり、
おそらくこの思いは一生消えることがないだろう。
私が「あのとき母を強引にでも入院させれば。」
「あのときせめて病院に来てくれたときに倒れていれば。」
この思いもまた私の中に一生残るのだろう。
だからこそ私たちはその思いを抱えながら、
「悪い」と思いながらも、
それでも幸せをくれた彼らに感謝をしつつ、
生きていかなければならないのだろう。
つらくても苦しくても、
それが生き残ったもののつとめなのかも知れない。


余りにも生々しい穴澤氏の文章は、
自らの過去をも抉りだした。
たとえ犬であろうと、
自らが愛したもの、
自らを愛してくれたものを失った哀しみは変わらない。
ここしばらくうつの波がやってきていたが、
水曜日くらいから上向いてきて気分が晴れてきたところに、
この一冊は強烈だった。
それは気持ちを落ち込ませるものではなく、
「ああ、誰でも喪失感でこんなになるのだ。」という共感。
そして残されたものが、
現実に戻らなければならない厳しさ。
だから私も生きていかなければと思う。
一冊の本でこれほど号泣したのは初めてだと思う。
だけどものすごくスッキリした。
父ちゃんがこれからも楽しいことを探して生きていこうと思うように、
私もそうやって生きていこうと思う。
そしていつか、
祖母や母や叔母に会えれば良いなと思う。

ありがとう富士丸。
あなたが生きているときには、
ずいぶんとあなたの間抜けな姿に和ませてもらった。
そして死してなお、
私はまたあなたとあなたの父ちゃんに救われた。
私もいつかあなたに会えるのかな?
またね、富士丸。
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